2024/04/04 更新

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フジイ ヒロミチ
藤井 弘通
FUJII Hiromichi
担当
大学院医学研究科 臨床医科学専攻 准教授
医学部 医学科
職名
准教授
所属
医学研究院

担当・職階

  • 大学院医学研究科 臨床医科学専攻 

    准教授  2022年04月 - 継続中

  • 医学部 医学科 

    准教授  2022年04月 - 継続中

取得学位

  • ヘパリンコーティング人工心肺を用いた体外循環に伴う補体・サイトカインの活性化機序 ( 大阪市立大学 )

研究分野

  • ライフサイエンス / 心臓血管外科学

所属学協会

  • 日本静脈学会

      国内

  • 日本臨床外科学会

      国内

  • 日本外科感染症学会

      国内

  • 日本冠動脈外科学会

      国内

  • 日本循環器学会

      国内

  • 日本心臓血管外科学会

      国内

  • 日本血管外科学会

      国内

  • 日本胸部外科学会

      国内

  • 日本外科学会

      国内

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職務経歴(学外)

  • 地域医療機能推進機構 大阪病院   心臓血管外科   心臓

    2012年07月 - 2016年03月

  • 大阪厚生年金病院   心臓血管外科   心臓担当部長

    2009年07月 - 2012年03月

  • 大阪厚生年金病院   心臓血管外科   医長

    2007年05月 - 2009年06月

  • 石切生喜病院   心臓血管外科   医員

    2005年10月 - 2007年04月

  • ベルランド総合病院   心臓血管外科   医員

    2004年04月 - 2005年03月

  • 福井循環器病院   心臓血管外科   医員

    2001年04月 - 2004年03月

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学歴

  • 大阪市立大学   医学研究科   外科系   博士課程   卒業・修了

    1997年04月 - 2001年03月

  • 大阪市立大学   医学部     卒業・修了

    1989年04月 - 1995年03月

論文

  • ヘパリンコーティング人工心肺を用いた体外循環に伴う補体・サイトカインの活性化機序 査読

    藤井 弘通

    (一社)日本人工臓器学会 人工臓器   29 ( 5 )   623 - 629   2000年12月( ISSN:0300-0818

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:単著   国際・国内誌:国内誌  

    体外循環(CPB)実施においてプロタミン投与時期を変えた2群間で補体・サイトカインの変動を比較した.冠動脈バイパス術施行30例を,プロタミン投与をCPB終了後5分後に行うA群(15例)とCPB終了35後に行うB群(15例)にとし,C3a,C4a,インターロイキン6及び8(IL-6,IL-8),腫瘍壊死因子(TNF-α)を経時的に測定した.補体は両群ともプロタミン投与後で上昇した.サイトカインはプロタミン投与で上昇せず,IL-6は大動脈遮断解除後で上昇したが,IL-8及びTNF-αは上昇しなかった

  • 頻回に行われた血行再建術後の重症虚血再灌流障害から救肢し得た1例 査読

    藤井 弘通, 高橋 洋介, 森崎 晃正, 左近 慶人, 柴田 利彦

    大阪市医学会雑誌   72   15 - 20   2023年12月( ISSN:0386-4103

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は71歳,男性.66歳時に両側総腸骨動脈狭窄に対してY型人工血管置換術を施行された後,68歳までに左下肢に対して2度の急性下肢虚血を経験した.70歳時に3度目の急性下肢虚血を発症し,血栓除去術および人工血管による大腿-大腿動脈バイパス術を行った.血流再開までに約9時間を要した.術後コンパートメント症候群を発症したため,術後2時間で減張切開を行った.術後のCK値は,76400U/Lまで上昇したが,持続的透析ろ過は行わなかったため,カテコラミンやカルペリチド投与などの集中治療管理を行う必要があった.CK値が正常に回復するまでに20日を要した.感染に注意しながら管理し,術後24日に減張切開創への皮膚移植を行った.術後42日に歩行障害などなく軽快退院した.しかし退院1年9ヵ月後に4度目の急性下肢虚血を発症し,虚血は左下肢の広範囲に及んだ.血栓除去術および人工血管による左腋窩-大腿動脈バイパス術を行ったが,下肢への再灌流までに7時間30分を要した.術後CK値が急激に22200U/Lまで上昇したため,筋腎代謝症候群(myonephropathic metabolic syndrome;MNMS)の予防のために持続的透析ろ過を行った.CK値は10日で正常値となった.術後14日に腎障害や歩行障害などの後遺症を呈することなく独歩退院した.4度の血行再建術を施行した症例の2度の重症虚血再灌流障害に対して適切かつ迅速な治療を行うことで救肢でき,重大な合併症を回避し得た1例を経験した.(著者抄録)

  • 当院の血管外科領域における腹壁瘢痕ヘルニアの現状 査読

    山根 心, 藤井 弘通, 森崎 晃正, 柴田 利彦

    日本外科感染症学会雑誌   19 ( 4-5 )   389 - 392   2023年02月( ISSN:13495755

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    <p>【背景】腹部正中切開で行う術後の腹壁瘢痕ヘルニアは頻度の高い術後合併症のひとつである。腹部大動脈瘤手術後ではその頻度がさらに高いと報告される。そこで当院で行った腹部大動脈瘤に対する術後の腹壁瘢痕ヘルニアの発症状況を調査し,その危険因子について検討した。【方法】当院で2015年1月から2020年8月までに腹部大動脈瘤に対し腹部正中切開で人工血管置換術を行った100例を対象とした。周術期の因子について,腹壁瘢痕ヘルニアを術後合併した群(H群)16例と合併しなかった群(N群)84例の二群間で比較した。【結果】二群間の比較では,H群で75歳以上の高齢者の割合が高かった。また,H群では有意にCOPDの罹患率が高く,SSIの発生が多かった。多変量解析では75歳以上の高齢者,COPDの罹患が独立した危険因子であった。【まとめ】当院での腹部大動脈瘤術後の腹壁瘢痕ヘルニアの発症率は16%であり,その危険因子は年齢が75歳以上,COPDの罹患であった。</p>

    DOI: 10.24679/gekakansen.19.4-5_389

  • 巨大左房を合併した心房性機能性僧帽弁逆流に対する心膜パッチを用いた僧帽弁修復術(Mitral valve repair with patch augmentation for atrial functional mitral regurgitation complicated with giant left atrium) 査読

    Sakon Yoshito, Takahashi Yosuke, Fujii Hiromichi, Morisaki Akimasa, Nishiya Kenta, Yamane Kokoro, Kishimoto Noriaki, Kawase Takumi, Murakami Takashi, Shibata Toshihiko

    General Thoracic and Cardiovascular Surgery   71 ( 2 )   104 - 112   2023年02月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    10年以上の慢性心房細動による心房性機能性僧帽弁逆流患者16例(男性12例、女性4例、年齢中央値72.5歳)を対象に、自己心膜パッチを用いた僧帽弁後尖拡大術の早期および中期治療成績を検討した。虚血性または拡張型心筋症による僧帽弁逆流の症例は除外した。術前の心不全重症度はNYHA心機能分類でII度が7例(43.8%)、III度が7例(43.8%)、IV度が2例(12.5%)であった。僧帽弁逆流は中等度が2例(12.5%)、重度が14例(87.5%)であった。院内死亡は1例で発生し、左房内巨大血栓による脳梗塞が原因であった。他の一例は縫着した心膜パッチの中央部が穿孔したため僧帽弁置換術を施行した。術後に僧帽弁逆流は有意に改善し、15例が軽度以下であった(P<0.01)。NYHA心機能分類は14例(87.5%)でII度以下に改善した。平均追跡期間は810日で、心臓死は皆無で5年生存率は93.8%であった。僧帽弁逆流の再発は2例で発生した。NYHA心機能分類は12例(75%)でI度またはII度を保持していた。術後3年の弁関連イベント回避率は65.6%、逆流再発回避率は87.1%であった。

  • 【各臓器手術における腹壁瘢痕ヘルニア発生の要因解析,および予防する創部閉鎖方法(開腹および鏡視下手術)の工夫】当院の血管外科領域における腹壁瘢痕ヘルニアの現状 査読

    山根 心, 藤井 弘通, 森崎 晃正, 柴田 利彦

    日本外科感染症学会雑誌   19 ( 4-5 )   389 - 392   2023年02月( ISSN:1349-5755

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【背景】腹部正中切開で行う術後の腹壁瘢痕ヘルニアは頻度の高い術後合併症のひとつである。腹部大動脈瘤手術後ではその頻度がさらに高いと報告される。そこで当院で行った腹部大動脈瘤に対する術後の腹壁瘢痕ヘルニアの発症状況を調査し,その危険因子について検討した。【方法】当院で2015年1月から2020年8月までに腹部大動脈瘤に対し腹部正中切開で人工血管置換術を行った100例を対象とした。周術期の因子について,腹壁瘢痕ヘルニアを術後合併した群(H群)16例と合併しなかった群(N群)84例の二群間で比較した。【結果】二群間の比較では,H群で75歳以上の高齢者の割合が高かった。また,H群では有意にCOPDの罹患率が高く,SSIの発生が多かった。多変量解析では75歳以上の高齢者,COPDの罹患が独立した危険因子であった。【まとめ】当院での腹部大動脈瘤術後の腹壁瘢痕ヘルニアの発症率は16%であり,その危険因子は年齢が75歳以上,COPDの罹患であった。(著者抄録)

  • Patch augmentation vs. valve replacement for patients with atrial functional mitral regurgitation and long-standing atrial fibrillation. 査読

    Morisaki A, Takahashi Y, Fujii H, Sakon Y, Murakami T, Shibata T

    Journal of thoracic disease   14 ( 10 )   3831 - 3841   2022年10月( ISSN:2072-1439

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.21037/jtd-22-828

    PubMed

  • Loop technique法による僧帽弁形成術の転帰 10年以上の経験(Outcomes of loop technique with ring annuloplasty: a>10-year experience) 査読

    Morisaki Akimasa, Takahashi Yosuke, Fujii Hiromichi, Sakon Yoshito, Murakami Takashi, Shibata Toshihiko

    General Thoracic and Cardiovascular Surgery   70 ( 9 )   793 - 803   2022年09月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    当院にてloop technique法を用いて僧帽弁形成術を施行した患者362例(男性215例、女性147例、平均64.2±13.0歳)の長期転帰を検討した。loop technique法は予め作製した人工腱索(loop)を弁尖逸脱部に縫着する手技で、患者1例あたりのloop数は3.4であった。27例(7.5%)はBarlow症候群による僧帽弁閉鎖不全症であった。手術は胸骨正中切開または右肋間小開胸により施行した。16例でSAM(僧帽弁収縮期前方運動)を認めたが、5例で腱索の長さを微調整し、残りの11例は容量負荷によりSAMは消失した。院内死亡は1例(0.3%)で発生した。平均追跡期間は4.1年で、7例で僧帽弁逆流の再発により再手術を施行した。機械弁または生体弁による僧帽弁置換術が6例、neochordae implantationが1例であった。術後5年および10年の中等度以上の僧帽弁逆流の再発率はそれぞれ4.7%と13.0%であった。多変量解析の結果、僧帽弁形成術後の僧帽弁逆流の残存が再手術を予測する独立因子であった。

  • 三尖弁形成術後残存逆流に関連する因子:術前 3D 経食道心エコーによる形態的検討

    河瀬 匠, 高橋 洋介, 西矢 健太, 岸本 憲明, 山根 心, 左近 慶人, 森崎 晃正, 藤井 弘通, 柴田 利彦

    日本心臓血管外科学会雑誌   50 ( 5 )   5-lxix - 5-lxxi   2021年09月( ISSN:02851474

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.4326/jjcvs.50.5.lxix

    CiNii Article

  • 偽腔の完全閉鎖による、20年経過したB型解離性巨大動脈瘤の縮小 症例報告(Shrinkage of a Giant Type-B Dissecting Aneurysm Treated by Complete False Lumen Occlusion 20 Years after Presentation: A Case Report) 査読

    Morisaki Akimasa, Sohgawa Etsuji, Takahashi Yosuke, Fujii Hiromichi, Sakon Yoshito, Kishimoto Noriaki, Yamane Kokoro, Shibata Toshihiko

    Annals of Vascular Diseases   14 ( 2 )   192 - 197   2021年06月( ISSN:1881-641X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は69歳女性で、47歳時、下行大動脈にentryがあり、両側頸動脈、左腎動脈、左総腸骨動脈にre-entryを伴ったtype IIIb急性B型大動脈解離および脳梗塞を発症し、左片麻痺となっていた。頸動脈閉塞は認められず、追加治療は行われなかった。その後、当院に紹介され、CT検査にて経過観察が行われていた。69歳時、解離性大動脈瘤は直径70mm以上に拡大しており、左房を圧迫していた。遠位部偽腔塞栓術を伴う血管内治療を施行した。しかし、総頸動脈re-entryからの偽腔への血流は残存しており、下行大動脈径は80mm以上に拡大した。追加治療として、弓部大動脈の偽腔に対する塞栓術を施行した。術後CT angiographyにて、下行大動脈の偽腔の完全閉鎖を認めた。1年後のCT angiographyにて、下行大動脈径は60mm以下に縮小しており、エンドリークも認められなかった。

  • 心臓血管外科手術時の手術部位感染予防抗菌薬変更に伴う影響調査 アンピシリン/スルバクタムからクリンダマイシンへ 査読

    西浦 広将, 櫻井 紀宏, 中村 安孝, 山田 康一, 藤井 弘通, 柴田 利彦, 掛屋 弘, 永山 勝也

    日本病院薬剤師会雑誌   57 ( 2 )   209 - 213   2021年02月( ISSN:1341-8815

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    従来、心臓血管外科手術では、手術部位感染予防抗菌薬としてアンピシリン/スルバクタム(ampicillin/sulbactam:以下、ABPC/SBT)が使用されていたが、抗菌薬供給不足により2019年5月1日からクリンダマイシン(clindamycin:以下、CLDM)が使用された。そこで、予防抗菌薬変更前の2019年3~4月に手術を受けた28例をABPC/SBT群、変更後の同年5~6月に手術を受けた20例をCLDM群とし、予防抗菌薬変更が及ぼす影響を調査した。手術部位感染発生例数はABPC/SBT群0例、CLDM群1例で、両群間に統計学的な有意差はなかったが、他剤への変更例数はCLDM群で有意に高かった。本検討よりCLDM群は、抗菌スペクトラムに該当しない原因菌による術後感染症が発生したため、CLDMを使用せざるを得ない場合は、これらの菌種による術後感染症の発生に注意する必要がある。(著者抄録)

  • 下大静脈から右心房まで拡大した腫瘍血栓を伴う肝内胆管癌 1症例報告(Intrahepatic cholangiocarcinoma with a tumor thrombus extending from the inferior vena cava to the right atrium: a case report) 査読

    Hamano Genya, Takemura Shigekazu, Tanaka Shogo, Shinkawa Hiroji, Aota Takanori, Fujii Hiromichi, Murakami Takashi, Kuwae Yuko, Kubo Shoji

    Surgical Case Reports   7   1 of 7 - 7 of 7   2021年01月

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    左肝静脈から下大静脈を経由して右心房まで拡大した腫瘍血栓を伴う肝内胆管癌の58歳男性症例について検討した。破裂性肝腫瘍の診断に対し経カテーテル動脈塞栓術が行われた後、心窩部痛を主訴とした。造影CT検査では肝左葉に径13cmの腫瘍を認め、胃小彎に沿ったリンパ節腫脹や、左肝静脈から下大静脈を経て右心房まで続く腫瘍血栓を認めた。全肝血行遮断下で肝左葉切除術および腫瘍血栓除去を施行した。病理学的所見より下大静脈腫瘍血栓を伴う肝内胆管癌と診断した。Tegafur/gimeracil/oteracilによる補助化学療法を1年間施行した。術後4年経過時点で癌の再発は認めなかった。

  • 腸骨動脈瘤破裂および動静脈瘻の症状としての片側性下肢浮腫とリンパ漏(Unilateral Lower Extremity Edema and Lymphorrhea as Manifestations of a Ruptured Iliac Artery Aneurysm and Arteriovenous Fistula) 査読

    Nishimura Shinsuke, Murakami Takashi, Fujii Hiromichi, Takahashi Yosuke, Morisaki Akimasa, Shibata Toshihiko

    Annals of Thoracic and Cardiovascular Surgery   26 ( 4 )   216 - 219   2020年08月( ISSN:1341-1098

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    一側性下肢浮腫とリンパ漏をきたした86歳男性症例について検討した。重度の左下肢浮腫、皮膚びらん、リンパ漏を呈した。動脈瘤の破裂後に、右総腸骨動脈瘤(IAA)と左総腸骨静脈との間に大型の動静脈瘻が形成され、腸骨静脈の圧迫により大型の動静脈シャントが左下肢方向を向いていたため、心不全症状を発症せずに静脈うっ血をきたしていた。動静脈瘻の外科的閉鎖術を行ったところ、保存療法下で左下肢の静脈うっ血に伴う臨床症状を管理し得た。

  • 肺動脈瘤と肺動脈弁逆流に対する同時手術(Concomitant operation for pulmonary artery aneurysm and pulmonary valve regurgitation) 査読

    Takahashi Yosuke, Shibata Toshihiko, Sakaguchi Masanori, Fujii Hiromichi, Morisaki Akimasa, Sakon Yoshito, Yamane Kokoro, Kishimoto Noriaki, Murakami Takashi

    General Thoracic and Cardiovascular Surgery   68 ( 8 )   855 - 857   2020年08月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は48歳男性で、肺動脈瘤と診断されており、軽度の労作時呼吸困難がみられた。CTで最大径6.4cmの肺動脈主幹と両肺動脈分枝に伸長する動脈瘤が認められた。心エコーで右室拡大、経食道心エコーで二尖弁様肺動脈弁の中等度逆流が示された。胸骨正中切開で手術を実施した。肺動脈弁には3つの弁尖があり、2つは正常な形で、1つは肥厚して低形成で、弁輪なしのridgeに類似していた。カスタムメイドテンプレートを用いて自家心膜によって新規弁尖を作製して弁輪に沿って縫合した。T型人工移植片を用いて肺動脈瘤を置換した。病理学的検査では肺動脈内に嚢胞性内側壊死はなく粘液変性のみが明らかになった。術後10ヵ月の心エコーでは新規弁尖の良好な可動性と癒合が示された。右室のサイズが減少した。術後2年間は無症状であった。

  • 大動脈弓修復術後のStaphylococcus schleiferi感染症の治療奏効 in situ大動脈弓置換術と、自家腸骨動脈を用いたDebranching graftのドミノ再建術(Successful Treatment of Staphylococcus schleiferi Infection after Aortic Arch Repair: In Situ Aortic Arch Replacement and Domino Reconstruction of the Debranching Graft using Autologous Iliac Artery) 査読

    Murakami Takashi, Tokuda Takanori, Nishimura Shinsuke, Fujii Hiromichi, Takahashi Yosuke, Yamane Kokoro, Inoue Kazushige, Yamada Koichi, Kakeya Hiroshi, Shibata Toshihiko

    Acta Medica Okayama   74 ( 3 )   251 - 255   2020年06月( ISSN:0386-300X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は62歳男性で、50日前、慢性Stanford B型大動脈解離のためfrozen elephant trunk修復術が施行された。術後29日目に退院したが、その8日後から発熱と全身疲労が発現し、CTで縦隔内と左腋窩動脈周辺の人工血管周囲に膿瘍が認められた。人工血管感染と診断し、入院当日に左鎖骨下のオープンドレナージ、その翌日に縦隔ドレナージを行った。入院5日目に膿瘍の膿汁培養でStaphylococcus schleiferiが判明した。抗生物質全身投与と局所陰圧閉鎖療法を行ったが感染をコントロールできなかったため、緊急手術として、人工血管による上行大動脈と大動脈弓の置換術、大網弁移植、自家腸骨動脈を用いた左鎖骨下動脈再建術を行った。術後4日目にリネゾリド(LZD)の投与を開始し、術後33日目にLZDの副作用のためダプトマイシンに変更した。術後80日目に経口ミノサイクリンに切り替え、術後115日目に介護施設に移った。

  • 心房性機能性僧帽弁・三尖弁閉鎖不全症に対する弁形成術後の中期成績(Mid-term results of valve repairs for atrial functional mitral and tricuspid regurgitations) 査読

    Takahashi Yosuke, Abe Yukio, Murakami Takashi, Fujii Hiromichi, Morisaki Akimasa, Nishimura Shinsuke, Sakon Yoshito, Ito Kazato, Shintani Ayumi, Shibata Toshihiko

    General Thoracic and Cardiovascular Surgery   68 ( 5 )   467 - 476   2020年05月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    心房細動を有する心房性機能性僧帽弁・三尖弁閉鎖不全症に対する弁形成術後の中期成績について検討した。慢性心不全を呈し左室駆出率は保持され、中等度機能性僧帽弁閉鎖不全、軽度機能性三尖弁閉鎖不全を有する45例(男性24例、女性21例、中央値72歳)を対象とした。経過観察期間中央値は932日であった。NYHA機能クラスは術前と比較して術後に著明に改善が得られ、術後の心血管イベントの発症は10例で、弁関連非死亡率は1年後が98%、3年後が95%、5年後が95%であった。術後の弁関連死亡率と再入院の有意な予測因子として術前の左房容積指数(LAVI)が抽出され、術後心血管イベント発症の有意な予測因子として術前の駆出率、三尖弁閉鎖不全グレード、LAVIが示された。術後の脳血管塞栓と再手術を示す術前予測因子としてのLAVIのカットオフ値を求めたところ142mL/m2と算出され、感度は67%、特異度は90%、AUC 0.791という数値が得られた。術前にLAVI 142mL/m2以上を示していた患者では術後の脳血管塞栓の発症率と再手術の施行率が有意に高くなっていた。僧帽弁と三尖弁の弁形成術により閉鎖不全症状と心不全症状の改善が得られることが示され、術後心血管イベントのリスク因子として術前の左房サイズは重要であると考えられた。

  • バイパス術が有効であった坐骨動脈狭窄遺残併存血栓閉塞症の1例 査読

    野田 和樹, 藤井 弘通, 柴田 利彦

    日本臨床外科学会雑誌   81 ( 3 )   592 - 596   2020年03月( ISSN:1345-2843

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は66歳,女性.100mの歩行時に右下腿痛を自覚し,2週間後に前医を受診した.下肢動脈造影検査にて両側遺残坐骨動脈と右側の血栓閉塞を認めた.下肢超音波検査にて新鮮血栓を認めたため,血栓除去術の適応と判断され当科へ転院となった.右膝上膝窩動脈を露出し,大腿および下腿の血栓除去術を施行した.大腿骨頸部レベルで遺残坐骨動脈の狭窄を認め,同部位より中枢側の血栓除去は困難であった.経皮的バルーン血管形成術を併施し終了した.術後7日目の造影CTにて狭窄部位からの再閉塞を認めたため,右総大腿-膝上膝窩動脈バイパス術を施行した.術後症状は消失し,バイパス術後13日目に独歩退院となった.遺残坐骨動脈の狭窄を伴った血栓閉塞症に対して下肢バイパス術が奏効したが,このような症例ではバイパス術を施行すべきであると考えられた.(著者抄録)

  • 開心術後深部胸骨創感染に対する持続陰圧吸引療法(NPWT)の役割 査読

    森崎 晃正, 藤井 弘通, 山根 心, 柴田 利彦

    日本外科感染症学会雑誌   17 ( 1 )   8 - 19   2020年02月( ISSN:13495755

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    <p>【目的】当施設における心大血管術後の深部胸骨創感染(以下,DSWI)の死亡因子を評価するとともに有用な治療方法を評価した。【対象・方法】1991年から2019年8月の間で胸骨正中切開による心大血管術後,外科的治療を要したDSWIを発症した84例を対象とした。2006年以前は連日洗浄後に,2007年以降は持続陰圧吸引療法(以下,NPWT)後に,単純閉鎖あるいは充填術を施行した。【結果】DSWI死亡は17例(20.2%)認めた。多変量解析で女性,年齢,透析例,術後脳障害発症,MRSA感染がDSWI死亡の独立危険因子であり,NPWT,充填術が死亡率を下げる独立因子であった。治療方法ごとの成績では充填術が有意に死亡率を下げる治療法であった(<i>P</i>=0.002)。一方MRSA DSWIにおいては,NPWTが有意に死亡率を減少させるものであった(<i>P</i>=0.003)。【結論】NPWT,充填術はDSWI死亡率を減少させる独立因子であり,NPWT後に充填術(bridge therapy)を施行することで根治的治療につながり,DSWIの死亡率を減少させる有益な治療方法と考えられた。</p>

    DOI: 10.24679/gekakansen.17.1_8

    CiNii Article

  • 【陰圧閉鎖療法(NPWT)による治療と予防】開心術後深部胸骨創感染に対する持続陰圧吸引療法(NPWT)の役割 充填術へのBridge therapy 査読

    森崎 晃正, 藤井 弘通, 山根 心, 柴田 利彦

    日本外科感染症学会雑誌   17 ( 1 )   8 - 19   2020年02月( ISSN:1349-5755

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】当施設における心大血管術後の深部胸骨創感染(以下、DSWI)の死亡因子を評価するとともに有用な治療方法を評価した。【対象・方法】1991年から2019年8月の間で胸骨正中切開による心大血管術後、外科的治療を要したDSWIを発症した84例を対象とした。2006年以前は連日洗浄後に、2007年以降は持続陰圧吸引療法(以下、NPWT)後に、単純閉鎖あるいは充填術を施行した。【結果】DSWI死亡は17例(20.2%)認めた。多変量解析で女性、年齢、透析例、術後脳障害発症、MRSA感染がDSWI死亡の独立危険因子であり、NPWT、充填術が死亡率を下げる独立因子であった。治療方法ごとの成績では充填術が有意に死亡率を下げる治療法であった(P=0.002)。一方MRSA DSWIにおいては、NPWTが有意に死亡率を減少させるものであった(P=0.003)。【結論】NPWT、充填術はDSWI死亡率を減少させる独立因子であり、NPWT後に充填術(bridge therapy)を施行することで根治的治療につながり、DSWIの死亡率を減少させる有益な治療方法と考えられた。(著者抄録)

  • バイパス術が有効であった坐骨動脈狭窄遺残併存血栓閉塞症の1例

    野田 和樹, 藤井 弘通, 柴田 利彦

    日本臨床外科学会雑誌   81 ( 3 )   592 - 596   2020年( ISSN:13452843

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    <p>症例は66歳,女性.100mの歩行時に右下腿痛を自覚し,2週間後に前医を受診した.下肢動脈造影検査にて両側遺残坐骨動脈と右側の血栓閉塞を認めた.下肢超音波検査にて新鮮血栓を認めたため,血栓除去術の適応と判断され当科へ転院となった.右膝上膝窩動脈を露出し,大腿および下腿の血栓除去術を施行した.大腿骨頸部レベルで遺残坐骨動脈の狭窄を認め,同部位より中枢側の血栓除去は困難であった.経皮的バルーン血管形成術を併施し終了した.術後7日目の造影CTにて狭窄部位からの再閉塞を認めたため,右総大腿-膝上膝窩動脈バイパス術を施行した.術後症状は消失し,バイパス術後13日目に独歩退院となった.遺残坐骨動脈の狭窄を伴った血栓閉塞症に対して下肢バイパス術が奏効したが,このような症例ではバイパス術を施行すべきであると考えられた.</p>

    DOI: 10.3919/jjsa.81.592

    CiNii Article

  • Mid-term results of valve repairs for atrial functional mitral and tricuspid regurgitations. 査読

    Takahashi Y, Abe Y, Takashi M, Fujii H, Morisaki A, Nishimura S, Sakon Y, Ito K, Shintani A, Shibata T

    General thoracic and cardiovascular surgery   2019年09月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    【目的,背景】近年, 慢性心房細動症例(AF)に起因する機能性僧帽弁閉鎖不全症(atrial functional MR)が報告されているが, その手術成績に関しては報告例が少ない. Atrial functional MR患者は三尖弁閉鎖不全症(TR)を合併していることが多く, MR.TRの両合併により心不全を発症する病態と考えられ, 両方の手術加療が必要となる. 今回, Atrial functional MR-TR患者に対して施行した僧帽弁形成術(MVP), 三尖弁形成術(TAP)の成績を報告する.【対象と方法】2008年10月~2018年8月に施行したAFに伴うMRで, 左室収縮不全がないにもかかわらず, 慢性AFに中等度以上のMRを伴い,MVPを施行した45例を対象とした. 平均年齢72歳(58-87歳), 男性24名, 女性21名.【結果】観察期間は中央値で932日. 術前のMRは, moderate 14名, severe 31名. TRはmild 9例, mild to moderate 5例, moderate 17例, severe14例であった.僧帽弁は全例にPhysioringを用いたMAPを施行し, 使用したring径は平均28 mmであった. 追加手技は後尖のpatch augmentationを11例に, 前尖のpseudo-prolapseに対してloop法を用いた人工腱索再建を15例に行った. 三尖弁は全例にTAPを施行し, 2例にpatch augmentationを追加した. 経胸壁心エコー図検査にて, 左房容積は術前と比べ遠隔期に有意に縮小した (術前 108±71 ml/m2, 遠隔期 70±40 ml/m2; P<0.01). 術後遠隔期の僧帽弁位平均圧較差は, 4.2±1.9 mmHgで術直後と比べて有意な変化を認めなかった. MRの程度は遠隔期に, 7例がmild to moderateと悪化し, 1例がsevereへと悪化した. TRの程度は遠隔期に, 2例がmild to moderateと悪化し, 1例がsevereへと悪化した.MACE (再手術, MR moderate以上悪化, 脳梗塞含む血栓塞栓症,心不全死亡)の回避率は術後3年で 87%, 術後5年で52%であった. Cox 比例ハザード分析を用いた単変量解析では, 遠隔中期MACEに与える術前因子として, 術前のTR grade (P=0.03), 術前RA径(P=0.018)およびLAVI(P=0.0017)が予測因子で, stepwise法にてLAVIおよび術前TRgradeが独立因子であった. ROC曲線より求められる心不全入院および再手術に与えるLAVIのcut-off値はLAVI=142ml/m2 (ROC area 0.791) (sensitivity 67%, specificity 90%) であった.【考察】Atrial functional MR-TRに対するMVP, TAPはMR,TRを減少させ, 左房容積を改善させる点で有用であった. しかし, 術前のTRが高度である症例や,右房.左房拡大が高度な症例では遠隔期のMACEが増加する傾向があり, 手術時期に関してはMRの程度に加え, 左房容積や右房容積, TRの程度を加味する必要があると思われた.

    DOI: 10.1007/s11748-019-01203-6

    PubMed

  • Mid-term results of valve repairs for atrial functional mitral and tricuspid regurgitations. 査読

    Takahashi Y, Abe Y, Takashi M, Fujii H, Morisaki A, Nishimura S, Sakon Y, Ito K, Shintani A, Shibata T

    General thoracic and cardiovascular surgery   68 ( 5 )   467 - 476   2019年09月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的,背景】近年, 慢性心房細動症例(AF)に起因する機能性僧帽弁閉鎖不全症(atrial functional MR)が報告されているが, その手術成績に関しては報告例が少ない. Atrial functional MR患者は三尖弁閉鎖不全症(TR)を合併していることが多く, MR.TRの両合併により心不全を発症する病態と考えられ, 両方の手術加療が必要となる. 今回, Atrial functional MR-TR患者に対して施行した僧帽弁形成術(MVP), 三尖弁形成術(TAP)の成績を報告する.【対象と方法】2008年10月~2018年8月に施行したAFに伴うMRで, 左室収縮不全がないにもかかわらず, 慢性AFに中等度以上のMRを伴い,MVPを施行した45例を対象とした. 平均年齢72歳(58-87歳), 男性24名, 女性21名.【結果】観察期間は中央値で932日. 術前のMRは, moderate 14名, severe 31名. TRはmild 9例, mild to moderate 5例, moderate 17例, severe14例であった.僧帽弁は全例にPhysioringを用いたMAPを施行し, 使用したring径は平均28 mmであった. 追加手技は後尖のpatch augmentationを11例に, 前尖のpseudo-prolapseに対してloop法を用いた人工腱索再建を15例に行った. 三尖弁は全例にTAPを施行し, 2例にpatch augmentationを追加した. 経胸壁心エコー図検査にて, 左房容積は術前と比べ遠隔期に有意に縮小した (術前 108±71 ml/m2, 遠隔期 70±40 ml/m2; P<0.01). 術後遠隔期の僧帽弁位平均圧較差は, 4.2±1.9 mmHgで術直後と比べて有意な変化を認めなかった. MRの程度は遠隔期に, 7例がmild to moderateと悪化し, 1例がsevereへと悪化した. TRの程度は遠隔期に, 2例がmild to moderateと悪化し, 1例がsevereへと悪化した.MACE (再手術, MR moderate以上悪化, 脳梗塞含む血栓塞栓症,心不全死亡)の回避率は術後3年で 87%, 術後5年で52%であった. Cox 比例ハザード分析を用いた単変量解析では, 遠隔中期MACEに与える術前因子として, 術前のTR grade (P=0.03), 術前RA径(P=0.018)およびLAVI(P=0.0017)が予測因子で, stepwise法にてLAVIおよび術前TRgradeが独立因子であった. ROC曲線より求められる心不全入院および再手術に与えるLAVIのcut-off値はLAVI=142ml/m2 (ROC area 0.791) (sensitivity 67%, specificity 90%) であった.【考察】Atrial functional MR-TRに対するMVP, TAPはMR,TRを減少させ, 左房容積を改善させる点で有用であった. しかし, 術前のTRが高度である症例や,右房.左房拡大が高度な症例では遠隔期のMACEが増加する傾向があり, 手術時期に関してはMRの程度に加え, 左房容積や右房容積, TRの程度を加味する必要があると思われた.

    DOI: 10.1007/s11748-019-01203-6

    その他URL: http://link.springer.com/article/10.1007/s11748-019-01203-6/fulltext.html

  • Primary tricuspid valve intimal sarcoma found in chest wall and lung tumors. 査読

    Morisaki A, Fujii H, Takahashi Y, Yamane K, Shibata T

    Asian cardiovascular & thoracic annals   218492319875580   2019年09月( ISSN:0218-4923

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    症例は50歳、男性。咳嗽にて近医受診し、胸壁及び肺腫瘍を指摘された。その後、精査にて三尖弁原発腫瘍及び肺動脈腫瘍塞栓、転移性胸壁・肺腫瘍と診断された。確定診断及び突然死の予防を含めたpalliative治療を考慮し、三尖弁置換術、肺動脈腫瘍摘出術を施行した。三尖弁腫瘍は三尖弁弁尖から隆起し、病理よりintimal sarcomaと診断された。術後化学療法を施行したが、術後9ヶ月目に肺動脈腫瘍、肺腫瘍の進行により死亡された。

    DOI: 10.1177/0218492319875580

    PubMed

  • Primary tricuspid valve intimal sarcoma found in chest wall and lung tumors. 査読

    Morisaki A, Fujii H, Takahashi Y, Yamane K, Shibata T

    Asian cardiovascular & thoracic annals   218492319875580   2019年09月( ISSN:0218-4923

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は50歳、男性。咳嗽にて近医受診し、胸壁及び肺腫瘍を指摘された。その後、精査にて三尖弁原発腫瘍及び肺動脈腫瘍塞栓、転移性胸壁・肺腫瘍と診断された。確定診断及び突然死の予防を含めたpalliative治療を考慮し、三尖弁置換術、肺動脈腫瘍摘出術を施行した。三尖弁腫瘍は三尖弁弁尖から隆起し、病理よりintimal sarcomaと診断された。術後化学療法を施行したが、術後9ヶ月目に肺動脈腫瘍、肺腫瘍の進行により死亡された。

    DOI: 10.1177/0218492319875580

  • Malleable Tin Plate Exposure System for Minimally Invasive Mitral Valve Surgery 査読

    Shibata Toshihiko, Takahashi Yosuke, Fujii Hiromichi, Morisaki Akimasa, Sakon Yoshito, Murakami Takashi

    ANNALS OF THORACIC SURGERY   108 ( 3 )   E207 - E209   2019年09月( ISSN:0003-4975

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    僧帽弁形成術は最近右小開胸での低侵襲手術が増加している。右肋間からの小さな創部で操作を行うため、僧帽弁の良好な視野の確保が困難になることが多々ある。とくに、左房の下壁部分(横隔面)が術野に覆い被さるため、これに相応する僧帽弁の後内側領域の視野展開が不良となる。従来は糸で牽引したり、あるいは創部から挿入した鉤で圧排して視野確保をしてきたが、いずれも操作の邪魔になったり、視野展開が不十分であったりとして満足のいくものではない。そこで、左房内部から拡張するような機能をもつ手術器械で視野展開をすることを考案した(Flexpander)。99.9%純度のスズ製の板状器具を開発した。この素材は大変柔軟な金属素材であり、これを丸めて左房内に挿入し、鑷子等で容易に好きな形状に拡張させることができる。また、表面に滑り止め加工を施している。専用の左房鉤を用いるとFlexpanderを左房内で固定することが用意となる。これにより左房全体の視野確保ができる。また、僧帽弁内に挿入することにより、弁下部組織の展開も良好である。ロボット手術での視野展開にも応用可能である。   

    DOI: 10.1016/j.athoracsur.2019.04.051

    PubMed

  • New insight into tricuspid valve anatomy from 100 hearts to reappraise annuloplasty methodology 査読

    Sakon Yoshito, Murakami Takashi, Fujii Hiromichi, Takahashi Yosuke, Morisaki Akimasa, Yamane Kokoro, Ohsawa Masahiko, Shintani Ayumi, Seki Toshiko, Shibata Toshihiko

    GENERAL THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY   67 ( 9 )   758 - 764   2019年09月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    人工弁輪は三尖弁形成術の際に重要な役割を果たす.ところが,三尖弁の解剖学的な多様性に対しては論議されていない.剖検例100例の心臓の三尖弁の分葉形態を調査した.後尖が1枚(52%),2枚(42%),3枚(5%)が存在していた.後尖が多く分葉するほど,後尖が占める割合が大きかった.本研究より,詳細な三尖弁の形態が明らかとなった.

    DOI: 10.1007/s11748-019-01092-9

    PubMed

  • Malleable Tin Plate Exposure System for Minimally Invasive Mitral Valve Surgery 査読

    Shibata Toshihiko, Takahashi Yosuke, Fujii Hiromichi, Morisaki Akimasa, Sakon Yoshito, Murakami Takashi

    ANNALS OF THORACIC SURGERY   108 ( 3 )   E207 - E209   2019年09月( ISSN:0003-4975

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    僧帽弁形成術は最近右小開胸での低侵襲手術が増加している。右肋間からの小さな創部で操作を行うため、僧帽弁の良好な視野の確保が困難になることが多々ある。とくに、左房の下壁部分(横隔面)が術野に覆い被さるため、これに相応する僧帽弁の後内側領域の視野展開が不良となる。従来は糸で牽引したり、あるいは創部から挿入した鉤で圧排して視野確保をしてきたが、いずれも操作の邪魔になったり、視野展開が不十分であったりとして満足のいくものではない。そこで、左房内部から拡張するような機能をもつ手術器械で視野展開をすることを考案した(Flexpander)。99.9%純度のスズ製の板状器具を開発した。この素材は大変柔軟な金属素材であり、これを丸めて左房内に挿入し、鑷子等で容易に好きな形状に拡張させることができる。また、表面に滑り止め加工を施している。専用の左房鉤を用いるとFlexpanderを左房内で固定することが用意となる。これにより左房全体の視野確保ができる。また、僧帽弁内に挿入することにより、弁下部組織の展開も良好である。ロボット手術での視野展開にも応用可能である。

    DOI: 10.1016/j.athoracsur.2019.04.051

  • 弁輪形成術の手法を再評価するための心臓100検体で得られた三尖弁解剖に関する新たな洞察(New insight into tricuspid valve anatomy from 100 hearts to reappraise annuloplasty methodology) 査読

    Sakon Yoshito, Murakami Takashi, Fujii Hiromichi, Takahashi Yosuke, Morisaki Akimasa, Yamane Kokoro, Ohsawa Masahiko, Shintani Ayumi, Seki Toshiko, Shibata Toshihiko

    General Thoracic and Cardiovascular Surgery   67 ( 9 )   758 - 764   2019年09月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    正常剖検心臓における三尖弁形態パターンと多様性を評価した。当施設において2009~2017年3月に剖検を行った100例の心臓検体のうち、後尖のない1例を除いた99例(男性63例、女性36例、中央値66.0歳)の心臓を評価した。後尖弁帆(PLS)数に従って、PLS1群52例、PLS2群42例、PLS3群5例に分け、人口統計学的特徴を比較し、3群の各弁尖の比率の傾向を評価した。全弁輪周囲長での後尖弁輪長の比率中央値は、PLS1群が26%、PLS2群が37%、PLS3群が45%であった。線形回帰分析ではPLS1からPLS3において後尖弁輪比の有意な増加傾向が示された。前尖および中隔弁輪比はPLS1からPLS3において有意に減少した。三尖弁の約半数が複数PLSを有していた。

  • New insight into tricuspid valve anatomy from 100 hearts to reappraise annuloplasty methodology 査読

    Sakon Yoshito, Murakami Takashi, Fujii Hiromichi, Takahashi Yosuke, Morisaki Akimasa, Yamane Kokoro, Ohsawa Masahiko, Shintani Ayumi, Seki Toshiko, Shibata Toshihiko

    GENERAL THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY   67 ( 9 )   758 - 764   2019年09月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    人工弁輪は三尖弁形成術の際に重要な役割を果たす.ところが,三尖弁の解剖学的な多様性に対しては論議されていない.剖検例100例の心臓の三尖弁の分葉形態を調査した.後尖が1枚(52%),2枚(42%),3枚(5%)が存在していた.後尖が多く分葉するほど,後尖が占める割合が大きかった.本研究より,詳細な三尖弁の形態が明らかとなった.

    DOI: 10.1007/s11748-019-01092-9

  • Aortic and pulmonary valve reconstruction using autologous pericardium in narrow annuli. 査読

    Takahashi Y, Shibata T, Fujii H, Morisaki A, Sakon Y, Yamane K, Kishimoto N, Murakami T

    The Annals of thoracic surgery   2019年06月( ISSN:0003-4975

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   国際・国内誌:国際誌  

    症例は71歳の女性.肺動脈弁狭窄症,肺動脈瘤,右室圧が135mmHgであり更に圧較差112mmHgの大動脈弁狭窄症を呈していた.冠動脈造影では左冠動脈領域の狭窄が認められた.16.7mmの肺動脈弁輪径で19.7mmの大動脈弁輪であり,両弁輪ともに狭小弁輪であった.そこで自己心膜して肺動脈弁を作成した.肺動脈瘤切除,二弁形成し,冠動脈バイパス術を行った.術後心エコー検査では,逆流なく,開放も良好であり,右室圧は23mmHgまで低下した.

    DOI: 10.1016/j.athoracsur.2019.04.070

    PubMed

  • Aortic and pulmonary valve reconstruction using autologous pericardium in narrow annuli. 査読

    Takahashi Y, Shibata T, Fujii H, Morisaki A, Sakon Y, Yamane K, Kishimoto N, Murakami T

    The Annals of thoracic surgery   2019年06月( ISSN:0003-4975

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は71歳の女性.肺動脈弁狭窄症,肺動脈瘤,右室圧が135mmHgであり更に圧較差112mmHgの大動脈弁狭窄症を呈していた.冠動脈造影では左冠動脈領域の狭窄が認められた.16.7mmの肺動脈弁輪径で19.7mmの大動脈弁輪であり,両弁輪ともに狭小弁輪であった.そこで自己心膜して肺動脈弁を作成した.肺動脈瘤切除,二弁形成し,冠動脈バイパス術を行った.術後心エコー検査では,逆流なく,開放も良好であり,右室圧は23mmHgまで低下した.

    DOI: 10.1016/j.athoracsur.2019.04.070

  • Externalized transapical guidewire technique for complex aortic disease: a single-centre experience 査読

    Murakami Takashi, Morisaki Akimasa, Nishimura Shinsuke, Takahashi Yosuke, Sakon Yoshito, Nakano Mariko, Sohgawa Etsuji, Fujii Hiromichi, Shibata Toshihiko

    EUROPEAN JOURNAL OF CARDIO-THORACIC SURGERY   55 ( 4 )   639 - 645   2019年04月( ISSN:1010-7940

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    【目的】大動脈の高度屈曲蛇行を伴った症例に対するthrough-and-through guidewire techniqueは大きなプロファイルを有するstent graftを安全に目的位置まで誘導でき有用な方法である。基本的には上腕動脈と大腿動脈で構成されるが、症例によりこの方法で施行困難な場合がある。今回、心尖部から大腿動脈までthrouhg-and-through guidewireとするexternalized transapical guidewire(ETAG)によりTEVARを施行した症例の有用性及び安全性を評価した。【方法】2015年4月から2017年の3月の間でETAGによるTEVARを施行した症例を5例認めた。ETAGの適応としては1.高度大動脈屈曲、2.中枢ランディングが大動脈弁と距離が短い、3.制限のある中枢ランディングゾーン、4.大動脈大彎側のアテロームが高度、であった。【結果】デリバリーシステムのtipは大動脈の小彎側を進めることができ、Stent graft展開時は両端のwireを押し、大動脈弓部の屈曲に合うように容易に展開できた。高度アテローム症例でも塞栓症は認めなかった。1例大動脈食道瘻により食道切除を施行したが、死亡した。【結語】ETAG techniqueは複合大動脈病変に対して有用であった。また大彎側のアテローム塞栓の発症率を減少させる可能性がある。

    DOI: 10.1093/ejcts/ezy349

    PubMed

  • Externalized transapical guidewire technique for complex aortic disease: a single-centre experience 査読

    Murakami Takashi, Morisaki Akimasa, Nishimura Shinsuke, Takahashi Yosuke, Sakon Yoshito, Nakano Mariko, Sohgawa Etsuji, Fujii Hiromichi, Shibata Toshihiko

    EUROPEAN JOURNAL OF CARDIO-THORACIC SURGERY   55 ( 4 )   639 - 645   2019年04月( ISSN:1010-7940

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】大動脈の高度屈曲蛇行を伴った症例に対するthrough-and-through guidewire techniqueは大きなプロファイルを有するstent graftを安全に目的位置まで誘導でき有用な方法である。基本的には上腕動脈と大腿動脈で構成されるが、症例によりこの方法で施行困難な場合がある。今回、心尖部から大腿動脈までthrouhg-and-through guidewireとするexternalized transapical guidewire(ETAG)によりTEVARを施行した症例の有用性及び安全性を評価した。【方法】2015年4月から2017年の3月の間でETAGによるTEVARを施行した症例を5例認めた。ETAGの適応としては1.高度大動脈屈曲、2.中枢ランディングが大動脈弁と距離が短い、3.制限のある中枢ランディングゾーン、4.大動脈大彎側のアテロームが高度、であった。【結果】デリバリーシステムのtipは大動脈の小彎側を進めることができ、Stent graft展開時は両端のwireを押し、大動脈弓部の屈曲に合うように容易に展開できた。高度アテローム症例でも塞栓症は認めなかった。1例大動脈食道瘻により食道切除を施行したが、死亡した。【結語】ETAG techniqueは複合大動脈病変に対して有用であった。また大彎側のアテローム塞栓の発症率を減少させる可能性がある。

    DOI: 10.1093/ejcts/ezy349

  • Safety of perioperative cerebral oxygen saturation during debranching in patients with incomplete circle of Willis 査読

    Takahashi Yosuke, Murakami Takashi, Sasaki Yasuyuki, Bito Yasuyuki, Fujii Hiromichi, Nishimura Shinsuke, Shibata Toshihiko

    INTERACTIVE CARDIOVASCULAR AND THORACIC SURGERY   26 ( 6 )   965 - 971   2018年06月( ISSN:1569-9293

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    目的)
    TEVAR時のdebranching操作において、総頸動脈(CCA)単純遮断の安全性はよくわかっていない。Willis(CoW)動脈輪の完全または不完全な患者の局所脳酸素飽和度(rSO2)のmonitoring下で単純な総頚動脈の単純遮断操作の安全性を検討した。
    方法)
    胸部動脈瘤の28人の患者において、2012年1月から2015年10月の間に、当施設で両側前頭部にrSO2モニタリング下、選択的debranching TEVARを施行した。 我々は、CCA単純遮断の前、中、後に、両側の前頭部でrSO2を記録した。
    結果)
    CoWは11人(39.3%)の患者で不完全であった。これらのうち、6人の患者が単純遮断中にischemic postential群であった。左側rSO2は3人の患者で50%未満であったが、40%未満にはならなかった。ベースライン値(平均±SD: 64.6±6.9%)と比較して、左側rSO2は、左CCA単純遮断で完全なCoWを有する患者で周術期に有意な変化を示さなかった(遮断中: 61.0±7.9%、P =0.17、遮断後: 65.1±5.9%、P = 0.09)。Ischemic potentialを示す不完全なCoWの患者では、左側rSO2は単純遮断後に有意な変化を示さなかった(ベースライン:59.8±3.2%、遮断中:55.5±5.0%; P = 0.10)が、遮断解除後に有意に増加した(62.8±4.5 %、P = 0.023)。完全なCoWを有する患者の変化率絶対値: 虚血前5.3%および虚血後5.8%と比較した場合、不完全なCoWを有する患者では、それぞれ絶対値7.3%および11.7%と減少および増加した(P =0.65, P=0.31)。周術期の脳血管イベントは観察されなかった。
    結論)
    Debranching操作中のCCAの単純遮断は、平均動脈圧が維持され、rSO2をmonitoringした場合、ischemic potential を有するCoWと不完全CoW患者であっても安全であった。

    DOI: 10.1093/icvts/ivx443

    PubMed

  • Unilateral Lower Extremity Edema and Lymphorrhea as Manifestations of a Ruptured Iliac Artery Aneurysm and Arteriovenous Fistula. 査読

    Nishimura S, Murakami T, Fujii H, Takahashi Y, Morisaki A, Shibata T

    Annals of Thoracic and Cardiovascular Surgery 編集委員会 Annals of thoracic and cardiovascular surgery : official journal of the Association of Thoracic and Cardiovascular Surgeons of Asia   2018年05月

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    腹部大動脈瘤および腸骨瘤において動静脈瘻を生じることはまれな病態である。その臨床症状は動静脈瘻の大きさによって左右され、サイズが大きい場合には心不全症状を呈する。我々は奇異な症状により発見された動静脈瘻を報告した。 86才弾性が左下肢の著明な腫脹と皮膚びらんと3ヶ月前から生じるリンパ浮腫で来院した。右総腸骨動脈瘤の破裂によって大きな動静脈瘻が右総腸骨動脈と総腸骨静脈との間に形成されたが心不全症状は呈していなかった。これは動脈瘤によって動静脈瘻の中枢側に位置する左総腸骨静脈が圧排され(iliac compression)、短絡血流が下肢にむけて生じたことによると推測された。手術によって動静脈瘻は閉鎖され下肢浮腫は改善された。このような病態を意識して診察にあたるべきである。

  • Severe Aortic and Mitral Stenosis Secondary to Slowly Progressive Hunter Syndrome in an Elderly Patient 査読

    Takahashi Yosuke, Murakami Takashi, Fujii Hiromichi, Sakaguchi Masanori, Nishimura Shinsuke, Yasumizu Daisuke, Sakon Yoshito, Kubo Yuki, Osawa Masahiko, Shibata Toshihiko

    CIRCULATION JOURNAL   82 ( 5 )   1473 - 1475   2018年05月( ISSN:1346-9843

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    症例は慢性心房細動の62歳の男性. 労作時呼吸困難のために当院に入院しました。彼はハンター症候群ムコ多糖症症II型(MPS II)で、低身長、頭の拡大、幅広い鼻、口唇の肥厚、および巨舌症の典型的な所見を示した。彼は過去9年間、毎週の静脈内酵素補充療法を受けていた。身長153cm、体重74kgで、正常知能であった。経胸壁心エコー図検査では、肥厚、石灰化、および可動制限を伴った僧帽弁(MV)および大動脈弁(AV)が示された。 MVの平均圧較差と弁口面積はそれぞれ8 mmHgと1.2 cm2であり、重度の僧帽弁狭窄症(MS)と診断した。 AVはそれぞれ45mmHgと0.8cm2であり、重度の大動脈弁狭窄症(AS)であった。左室駆出率は60%で保たれていた。患者は、中程度のMV逆流、重度の三尖弁逆流、および推定収縮期肺動脈圧69 mmHgを伴う二次肺高血圧を有していた。心不全症状とslow progressive なMPS II進行する性質のために、手術適応となった。手術は胸骨正中切開で行なった。大動脈弁は弁尖全体と大動脈弁輪に豊富な石灰化を伴っていた。石灰化リウマチASで見られるように、AVでは交連融合を認めなかった。 MVの各部分(P1、P2、およびP3)は、リウマチ性MSおよび石灰化MSとは対照的に、丸く肥厚していた。乳頭筋は正常であったが、リウマチ性MSで見られるように、弁下組織は肥厚していた。僧帽弁輪からMVを取り外し、27 mmの機械弁で僧帽弁置換を行なった。三尖弁は28 mm Physio三尖弁リングを使用して三尖弁輪形成術を行い、20 mm ATS弁で大動脈弁置換を行いました。患者は術後14日で退院し、手術後8ヶ月経過するが問題なく経過している。

    DOI: 10.1253/circj.CJ-17-0387

    PubMed

  • Fenestrated Endovascular Repair with Debranching Technique for Blunt Traumatic Isthmus Injury 査読

    Morisaki Akimasa, Sohgawa Etsuji, Fujii Hiromichi, Yamane Kokoro, Shibata Toshihiko

    ANNALS OF VASCULAR DISEASES   11 ( 4 )   565 - 568   2018年( ISSN:1881-641X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    症例は29歳女性で、自動車事故で搬送され、呼吸不全のため直ちに挿管した。CT血管造影で、血腫、血管外漏出、巨大偽動脈瘤(35mm)を伴う近位下行大動脈の小彎に鈍的外傷性大動脈損傷(BTAI)を認めた。他に左眼窩骨骨折、気胸を伴う肋骨骨折、安定骨盤骨折などが認められた。BTAIは左総頸動脈(CCA)に近く、左椎骨動脈(VA)は個々に大動脈弓から分岐していたため、fenestrated TEVARとdebranching法の併用を検討した。全身麻酔下で左腋窩動脈バイパスを左CCAに行い、左頸部および鎖骨下切開部を通して左VAを再建した。ケリークランプを使用して、6mmのGORE PROPATENグラフトを、左CCAから左腋窩動脈まで、左鎖骨下の左内頸静脈と前斜角筋との間に挿入した。左CCAの単純クランプ下で、左CCAをグラフトと左VAに吻合した。次にグラフトを左腋窩動脈に対して横方向に吻合した。バイパス移植後、RELAY PLUSを用いてfenestratedステントグラフトを作製した。左鎖骨下動脈のバルーン閉塞下に、右大腿動脈を経由して、遠位から腕頭動脈への下行大動脈へのfenestratedステントグラフトを留置した。ステントグラフトのバルーン拡張術と左鎖骨下動脈近位部のコイル塞栓術を行った。その後、左眼窩破裂骨折のために骨折整復と腸骨移植を施行した。骨盤骨折は保存的に管理し、術後37日目にリハビリ病院に転院となった。

    DOI: 10.3400/avd.cr.18-00088

    PubMed

  • Intravascular ultrasound for transcatheter paravalvular leak closure 査読

    Murakami Takashi, Fujii Hiromichi, Sakaguchi Masanori, Takahashi Yosuke, Suehiro Yasuo, Nishimura Shinsuke, Sakon Yoshito, Yasumizu Daisuke, Sohgawa Etsuji, Shibata Toshihiko

    GENERAL THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY   65 ( 8 )   466 - 469   2017年08月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   国際・国内誌:国際誌  

    人工弁置換術後に人工弁縫着部になんらかの障害を生じて、人工弁縫着部が離開することがある。人工弁周囲逆流による心内逆流で心不全あるいは溶血が生じる。従来は再度開胸し心停止下に人工弁の再置換手術が必要であった。カテーテルにより心房中隔等の心内短絡を閉鎖する技術が進歩し、同様の閉鎖デバイスを用いて人工弁周囲逆流部位を留置することにより治療が可能となった。逆流部位は通常、術中経食道心エコーや術中造影によって把握するが、正確に留置するためには、逆流部位の大きさをはかり適切なデバイスサイズを選択することが必要である。我々はこの治療において血管内超音波検査を応用し、逆流部位の正確なサイズを把握し留置することを行ったので報告した。

    DOI: 10.1007/s11748-016-0700-x

    PubMed

  • 弁周囲逆流に対する経カテーテル閉鎖術における血管内超音波像(Intravascular ultrasound for transcatheter paravalvular leak closure) 査読 国際共著

    Murakami Takashi, Fujii Hiromichi, Sakaguchi Masanori, Takahashi Yosuke, Suehiro Yasuo, Nishimura Shinsuke, Sakon Yoshito, Yasumizu Daisuke, Sohgawa Etsuji, Shibata Toshihiko

    シュプリンガー・ジャパン(株) General Thoracic and Cardiovascular Surgery   65 ( 8 )   466 - 469   2017年08月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    症例は51歳男性で、心不全のため入院した。6ヵ月前に感染性心内膜炎と診断され、機械弁を使った二弁置換術を受けていた。術中に弁輪部膿瘍のデブリードマンにより僧帽弁の閉鎖機能低下をきたし、ウシ心膜パッチにより再建術を行った。受診時の経胸壁心エコーで左冠尖-右冠尖交連部に重度の弁周囲逆流を認めたが、病変前方の僧帽弁位および大動脈弁位に縫着された機械弁による音響陰影のため病変が描出できず、病変のサイズと形状の判別には至らなかった。造影CTを施行したが追加情報を得られなかった。左室駆出率が25%に低下し心不全が重症化したため、弁周囲逆流に対する閉鎖術を考慮したが、開腹再手術はリスクが高いと判断し、経カテーテル閉鎖術を施行した。全身麻酔下にて経心尖アプローチでガイドワイヤを挿入し、次いで血管内超音波カテーテルを挿入して標的部位にプラグを留置した。術後経過は良好で、経胸壁心エコーで弁周囲逆流は見られなかった。

  • 血行再建を先行させ右外腸骨動静脈を合併切除した浸潤盲腸癌の1例 査読

    高市 翔平, 森本 芳和, 藤井 弘通, 畑中 信良, 平尾 隆文, 山崎 芳郎

    日本臨床外科学会 日本臨床外科学会雑誌   78 ( 6 )   1312 - 1317   2017年06月( ISSN:1345-2843

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    右外腸骨動静脈に浸潤した盲腸癌に対し,血行再建を先行させ,血管合併切除を伴う結腸右半切除術を施行した症例を経験した.症例は64歳,女性.主訴は食思低下.画像検査にて,右外腸骨動静脈に浸潤する盲腸癌を指摘された.イレウス症状が改善せず,回腸-横行結腸バイパス術を施行した.抗癌剤治療に高度有害事象が出現し,また消化管出血による貧血が進行したため,血管合併切除ならびに再建を伴った腫瘍切除が必要と判断した.左右大腿動脈間に人工血管を用いたグラフトバイパス術を先行させたのち,術野を分離し,右外腸骨動静脈および右卵巣合併切除を伴う結腸右半切除術を施行した.腫瘍近傍の播種結節を含めた広汎切除郭清を行い,T4b,N1,M1(P1),stage IV,R0であった.術後腹腔内膿瘍,胆嚢炎,創感染をきたしたものの,グラフト感染には至らず,術後71目に退院した.(著者抄録)

  • 三尖弁位On-X弁の血栓弁に対してt-PAによる血栓溶解療法が有効であった1例 査読

    青山 孝信, 藤井 弘通, 瀬尾 浩之, 賀来 大輔, 笹子 佳門

    (NPO)日本心臓血管外科学会 日本心臓血管外科学会雑誌   45 ( 5 )   233 - 237   2016年09月( ISSN:0285-1474

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    症例は41歳男性。6年前に感染性心内膜炎、僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症に対してMVR(On-X 27/29mm)、TVR(On-X 31/33mm)を施行した。術後に大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁位人工弁周囲逆流、心室中隔穿孔を認め、術後40日にAVR(On-X 25mm)、僧帽弁位人工弁周囲逆流部パッチ閉鎖、心室中隔穿孔部閉鎖、再TVR(On-X 31/33mm)を施行した。以後、外来でPT-INR 2.0〜2.5を目標にワルファリンコントロールしていた。術後3年半後の心エコー検査にて三尖弁位の平均圧較差の増大(14mmHg)と人工弁透視検査にて三尖弁位人工弁の半閉鎖位での固定を認めたため人工弁機能不全と診断した。原因として血栓またはパンヌス形成を疑った。まずt-PA(monteplase 160万単位)による血栓溶解療法を行った。血栓溶解療法後5日の心エコー検査にて三尖弁位の平均圧較差の改善(4mmHg)と人工弁透視検査にて三尖弁位人工弁の可動性の改善を認め、血栓弁であったと確定診断した。出血や塞栓症などの合併症も認めず、血栓弁に対する血栓溶解療法は有用であった。(著者抄録)

  • Cardiac calcified amorphous tumor in a hemodialysis patient. 査読 国際共著

    Seo H, Fujii H, Aoyama T, Sasako Y

    Asian cardiovascular & thoracic annals   24 ( 5 )   461 - 3   2016年06月( ISSN:0218-4923

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    慢性透析患者のまれな心内非新性物腫瘍である心内石灰化非定形的腫瘍について報告する.症例は72歳の女性で,主訴は呼吸困難.既往歴に血栓塞栓症,悪性,炎症性疾患は認めなかった.心エコー上,高輝度の可動性は少しある腫瘤が僧帽弁付近に認められ,左室流出路に伸張していた.外科的腫瘤切除術を施行した.経大動脈弁的に観察することができ,乳頭筋,腱策から容易に切除することができた.組織学的検査にて,非定形繊維性組織に石灰化が認められる,いわゆるcalcified amorphous tumorと診断された.

    DOI: 10.1177/0218492315574795

    PubMed

  • 抗凝固療法で治癒した出血性胃潰瘍併存大動脈弁位血栓弁の1例 査読

    青山 孝信, 藤井 弘通, 瀬尾 浩之, 笹子 佳門

    日本臨床外科学会 日本臨床外科学会雑誌   77 ( 6 )   1358 - 1362   2016年06月( ISSN:1345-2843

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    症例は72歳,女性.2011年6月に大動脈弁狭窄症に対して大動脈弁置換術(SJM Regent弁19mm)を施行した.他院で行われていたワルファリンコントロールは不良であった.2014年7月,倦怠感とタール便を訴え,救急搬送され,出血性胃潰瘍と診断され内視鏡的止血術を受けた.第2病日の心エコー検査で人工弁圧較差の増大を認め,弁透視検査にて人工弁の一葉が半閉鎖位で固定しており,人工弁機能不全と診断した.心不全症状を認めず,緊急手術は不要と判断し,出血性胃潰瘍の止血を確認後,ヘパリンとワルファリンによる抗凝固療法を継続した.第45病日に施行した弁透視で人工弁葉の可動性の改善傾向を認め,ワルファリン投与のみで第59病日に退院した.外来での厳重な抗凝固療法の継続により人工弁葉の可動性は完全に改善した.血栓弁に対して再手術,血栓溶解療法を施行せず抗凝固療法のみを継続して治療しえた貴重な症例であった.(著者抄録)

  • 梅毒性胸部大動脈瘤の1例 査読

    青山 孝信, 藤井 弘通, 瀬尾 浩之, 笹子 佳門

    日本臨床外科学会 日本臨床外科学会雑誌   77 ( 5 )   1058 - 1061   2016年05月( ISSN:1345-2843

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    梅毒は大動脈瘤の一因として知られるが,術前に梅毒性大動脈瘤と診断し得なかった症例を経験したので報告する.症例は71歳,男性.CTにて最大径60mmの上行大動脈瘤を指摘された.梅毒血清反応はRPR法2.6R.U.,TPLA定量2,387U/mlであったが,紡錘状動脈瘤であり術前には動脈硬化性動脈瘤と診断した.部分弓部大動脈置換術,右腕頭動脈・左総頸動脈再建術を施行したが,大動脈瘤は周囲組織と強固に癒着し,弓部大動脈の壁肥厚を認めた.病理所見で大動脈瘤壁の中膜の栄養動脈周囲に形質細胞の浸潤を認め,術後に梅毒性大動脈瘤と診断し,術後8日目からアモキシシリンを1日1,000mg,2週間の内服を行った.術後経過良好で術後13日目に退院した.術後18ヵ月目にRPR法は陰性化し,TPLA定量は1,542U/mlであった.現在では,梅毒性大動脈瘤は非常にまれであり,意識しておかねば術前に診断できない可能性がある.(著者抄録)

  • 大阪市西部医療圏におけるフットケアの現況と課題 アンケート調査をとおして 査読

    池上 隆太, 中西 由香, 小笠原 延行, 藤井 弘通, 松下 哲也, 宮田 哲

    (一社)日本フットケア学会 日本フットケア学会雑誌   13 ( 3 )   113 - 117   2015年09月( ISSN:2187-7505

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    当院は大阪市西部基本医療圏に属する地域医療支援病院で、地域の急性期医療としての役割を担っている。院内では糖尿病や重症下肢虚血などの足病変に対して、予防・治療ともにチーム連携をとり一定の成果を上げている。しかしながら、足壊疽が進んだ状態で受診される例や、急性期治療後の受け入れ先がなく難渋する例も少なくない。高齢化が進み、糖尿病患者が増加している昨今、一施設での対応には限界があり、地域全体でこれらの疾患に対応していく必要がある。今回われわれは患者に関わっている地域の医療施設や介護施設にアンケート調査を行い、現状の把握と今後の課題を検討した。結果、38.7%から回答があり、フットケアの重要性は認識されているものの、フットケアをしている施設は認識度より低く、ばらつきがみられた。講演会やセミナーへの参加希望は高いものの、出席できる機会が少ないと考えられた。フットケアにおける地域連携を充実していくためには対象者のニーズにあわせた講演やセミナーを積極的に開催していく必要があると考えられた。(著者抄録)

  • 乳頭筋異常による左室流出路狭窄に対して僧帽弁置換術を施行した1例 査読

    瀬尾 浩之, 藤井 弘通, 青山 孝信, 笹子 佳門

    (NPO)日本心臓血管外科学会 日本心臓血管外科学会雑誌   44 ( 2 )   92 - 96   2015年03月( ISSN:0285-1474

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    症例は72歳の男性。閉塞性肥大型心筋症と診断され、4年間、薬物加療が行われていたが、労作時倦怠感および呼吸苦が出現した。心エコー検査では、全周性の心筋肥大と左室中部から流出路における狭窄病変を認め、同部位での最大圧較差は94mmHgと増悪していた。また、前乳頭筋が著明に肥大して前方に偏位しており、同乳頭筋から僧帽弁前尖へ付着する腱索が著明に短縮しtetheringを認めていた。収縮期には、肥大した前乳頭筋が心室中隔側へ偏位し、さらに僧帽弁前尖の収縮期前方運動も伴って左室内狭窄の原因となっていた。乳頭筋異常による左室内狭窄を合併した肥大型心筋症と診断し手術を施行した。手術は乳頭筋切除を含めた機械弁による僧帽弁置換術を行った。術後経過は良好で、合併症なく経過し、術後14日目に軽快退院した。術後の心エコー検査では、左心室内の狭窄病変は認めず、左室内圧較差は消失していた。僧帽弁下組織の異常に伴う左室内狭窄を合併した肥大型心筋症に対しては、経大動脈弁での中隔心筋の切除のみでは改善しないことがある。このような症例においては乳頭筋切除を伴った僧帽弁置換術も重要な選択肢のひとつであると思われた。(著者抄録)

  • A Case of Adventitial Cystic Disease of the Popliteal Artery Progressing Rapidly after Percutaneous Ultrasound-guided Aspiration. 査読

    Seo H, Fujii H, Aoyama T, Sasako Y

    Annals of vascular diseases   7 ( 4 )   417 - 20   2014年( ISSN:1881-641X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    外膜嚢腫はまれな非動脈硬化性の疾患である.症例は36歳の男性,間欠性跛行を主訴に来院し,外膜の嚢胞性病変を指摘された.CTとMRIにて卵型の嚢胞性腫瘤が右膝窩動脈を圧迫し著明な狭窄となっていることが判明した.経皮的に吸引を行ったことで,症状は軽快した.ところが,2週間後に間欠性跛行が再燃した.精査にて嚢胞性病変が急激に大きくなっていた.そこで嚢胞性病変を切除し,動脈を人工血管にて間置した.外膜嚢腫に対しては外科的に切除することが好ましい治療なのかもしれない.

    DOI: 10.3400/avd.cr.14-00097

    PubMed

  • 自転車にて来院した心筋梗塞後左室自由壁破裂の1例 査読

    藤井 弘通, 青山 孝信, 末廣 泰男, 瀬尾 浩之, 笹子 佳門

    日本臨床外科学会 日本臨床外科学会雑誌   74 ( 9 )   2402 - 2405   2013年09月( ISSN:1345-2843

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    症例は69歳の男性で,全身倦怠感を主訴に前医を自転車で受診した.心電図,心エコー,CTにて急性心筋梗塞後の左室自由壁破裂が疑われ,当院に救急搬送された.循環動態は非常に安定しており,意識消失やショック症状は認めなかった.冠動脈造影検査にて左前下行枝の閉塞が認められた.緊急手術を行ったが,循環動態が安定していたため,まず左内胸動脈を採取した.心嚢内は血腫で充満しており,心尖部に約2cmの亀裂がありblow out型の左室自由壁破裂であったと診断したが,出血は認めなかった.タココンブとフィブリン糊によるsutureless法による修復を行った.同時に大動脈内バルーンパンピングにて左室圧を軽減した.体外循環を用いることなく左内胸動脈を左前下行枝に縫合する冠動脈バイパス術を行った.術後経過は良好で術後25日に軽快退院した.自転車で受診した循環動態の安定した左室自由壁破裂の稀な症例であった.(著者抄録)

  • 大動脈弁置換術後の非閉塞性腸管虚血(NOMI:nonocclusive mesenteric ischemia)に対して小腸大量切除を行った1治験例とその術後経過 査読

    藤井 弘通, 青山 孝信, 髭 勝彰, 笹子 佳門

    (NPO)日本心臓血管外科学会 日本心臓血管外科学会雑誌   42 ( 1 )   42 - 45   2013年01月( ISSN:0285-1474

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    開心術後の非閉塞性腸管虚血(NOMI)は予後不良の稀な疾患である。その救命例の報告はあるが、その後の経過についてはほとんど知られていない。今回大動脈弁置換術(AVR)後のNOMIに対して小腸大量切除を行い救命し得た症例を経験したが、短腸症候群となった術後経過はけっして良好ではなかった。症例は79歳、男性。大動脈弁狭窄症に対しAVRを施行した。術後14日の腹部単純CTにて小腸壁に腸管壁内気腫像を認めたため、腸管壊死と診断し緊急開腹術を行った。広範囲に非連続性の黒色に変色した小腸を認め、小腸大量切除が行われた。病理学的所見では切除切片内の動脈は開存しており血栓は散在しているのみで動脈塞栓症ではなくNOMIであったと考えられた。その後の経過は一時的に社会復帰も可能となったが、尿路感染や急性胆嚢炎からの敗血症性ショックや中心静脈ポート感染による抜去を繰り返した。初回手術退院後死亡に至るまでの25ヵ月のうち入院治療を要した期間は14ヵ月であり、カンジダ敗血症、肝不全にてAVR後2年4ヵ月に死亡した。たとえNOMIに対して救命できたとしても、短腸症候群となった場合の経過は免疫、栄養面で問題が生じることを知っておくべきである。NOMIは特異的な症状や血液検査所見を有さないため、開心術後の血液検査や腹部所見の異常を見逃さず、NOMIの診断・治療を適切かつ早急に行うことが肝要と思われた。(著者抄録)

  • 内科的加療で軽快した肺炎球菌による急性化膿性心膜炎の1例 査読

    朴 英美, 中島 伯, 後藤 拓也, 田崎 龍之介, 田中 宏治, 北野 勝也, 坂根 貞樹, 藤井 弘通, 笹子 佳門

    (一社)日本心臓病学会 日本心臓病学会誌   5 ( 2 )   143 - 147   2010年06月( ISSN:1882-4501

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    65歳女性。患者は発熱および胸背部痛を主訴に、著者らの施設へ受診となった。当初、肺炎に合併した急性心膜炎が考えられ、入院後に抗生物質と解熱鎮痛剤による治療を開始したが、入院3日目に心タンポナーデが生じた。心嚢穿刺ドレナージの結果、肺炎球菌による急性化膿性心膜炎と診断され、外科的治療が検討されたものの、心嚢穿刺ドレナージと抗生物質投与のみで寛解が得られた。目下、1年経過で患者は内服薬なしで良好なADLを維持しており、心エコー上でも心収縮拡張機能とも良好である。

  • 慢性大動脈解離と原発性アルドステロン症を伴った副腎腺腫を同時に手術した1例(Simultaneous surgery for chronic aortic dissection and adrenal adenoma with primary aldosteronism) 査読

    Hirai Hidekazu, Shibata Toshihiko, Sasaki Yasuyuki, Fujii Hiromichi, Kubo Shoji, Suehiro Shigefumi

    シュプリンガー・ジャパン(株) General Thoracic and Cardiovascular Surgery   58 ( 5 )   235 - 238   2010年05月( ISSN:1863-6705

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    38歳男。Stanford B型慢性大動脈解離と左側副腎腺腫による原発性アルドステロンとがあり、調節困難な高血圧を伴った。MR画像では副腎腺腫は径1cm大であった。体外循環下で大動脈解離をグラフトで置換後、第5、第6、第7、第9肋間動脈を再建した。その後、左副腎を摘出した。術後経過は順調で、降圧薬なしで血圧は調整できた。

  • 腹部人工血管MRSA感染に対しe-PTFE人工血管解剖学的再建術および右腹直筋弁充填術を施行した1治験例 査読

    藤井 弘通, 笹子 佳門, 青山 孝信, 奥田 紘子

    (NPO)日本血管外科学会 日本血管外科学会雑誌   18 ( 7 )   701 - 705   2009年12月( ISSN:0918-6778

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    腹部大動脈人工血管感染は予後の悪い合併症である。胃癌術後のMRSA腹部人工血管感染に対して、ドレナージ術および洗浄を行い、二期的に人工血管除去、e-PTFE人工血管による解剖学的再建を施行し右腹直筋弁充填術を行い良好な結果が得られたので報告する。症例は66歳、男性。胃癌術後の腹部大動脈瘤に対して人工血管置換術が行われ、約3ヵ月してMRSA人工血管感染を発症した。ドレナージ術および強酸性水にて洗浄を2ヵ月間施行したが、無菌化することができず人工血管除去、e-PTFE人工血管による解剖学的再建を行った。胃癌術後のため有茎大網充填が不可能で、さらに左腹直筋が離断されていたので、右有茎腹直筋弁充填術を施行した。術後経過は良好で、術後1年11ヵ月を経過したが感染の再燃は認めていない。大網が使用できない場合は腹直筋がそれに代わる充填物として有用であると思われた。(著者抄録)

  • 【手洗いと創処置】手術時手洗い方法の変更による心臓血管外科領域における手術部位感染の検討 査読

    藤井 弘通, 末広 茂文, 柴田 利彦, 佐々木 康之

    (一社)日本外科感染症学会 日本外科感染症学会雑誌   3 ( 4 )   505 - 508   2006年11月( ISSN:1349-5755

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    心臓血管外科領域の手術部位感染(SSI)発生について、ブラシを用いるscrubbing法と揉み洗い中心のrubbing法を比較した。scrubbing法を行った220例をA群、rubbing法を行った224例をB群とした。消毒薬は4%クロルヘキシンジン、又は7.5%ポビドンヨードを用い、手洗い水は滅菌水を使用した。SSIの発生をA群9例(4.1%)、B群5例(2.2%)に認めたが、両群間に有意差はみられなかった。ブドウ球菌による感染が14例中11例で、両群には、原因菌の種類に差はなかった。rubbing法でも、従来のscrubbing法と同等の効果を得られることが示唆された。

  • Surgical treatment of multiple coronary artery fistulas with an associated small saccular aneurysm--a case report. 査読

    Fujii H, Tsutsumi Y, Ohashi H, Kawai T, Iino K, Onaka M

    Journal of cardiac surgery   21 ( 5 )   493 - 5   2006年09月( ISSN:0886-0440

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    症例は57歳女性.前胸部不快感を主訴にて冠動脈造影(CAG)が施行された.CAGにて冠動脈の狭窄はなかったが,多発性の冠動脈瘻(CAF)が認められた.CAFの起始部は,右冠動脈,左冠動脈主幹部,左前下行枝と下行大動脈であった.流入はすべて主肺動脈であった.さらにCAFの一部は瘤化していた.コイル塞栓を行うよりも外科的に治療をすべきであると考え,人工心肺下にCAFを結紮,切離した.ハーモニックスカルペルを用いてCAFを露出することは有用であった.術後のCAGではCAFは消失し,問題なく経過した.

    DOI: 10.1111/j.1540-8191.2006.00308.x

    PubMed

  • Biventricular pacing 18 months after Batista operation. 査読

    Iino K, Ohashi H, Tsutsumi Y, Kawai T, Fujii H, Ohnaka M

    The Annals of thoracic surgery   81 ( 6 )   2302 - 4   2006年06月( ISSN:0003-4975

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    我々は Batista手術と僧帽弁形成を施行し18ヶ月後に完全左脚ブロックと僧帽弁逆流を認めた拡張型心筋症の患者に対して両室ペーシングを行った.心外膜リードを外科的に胸骨切開をおき左室自由壁に固定した.その他の2本のリードは経静脈的に留置した.両室ペーシングを行うことで,同期収縮が得られ左室収縮機能の改善をもたらし,僧帽弁逆流も減量させる.両室ペーシングは,Batista手術後の心筋症,左脚ブロックによる繰り返す治療困難な心不全患者には有益である.

    DOI: 10.1016/j.athoracsur.2005.07.088

    PubMed

  • 右側大動脈弓合併例に対するCABGの1例 査読

    熊野 浩, 藤井 弘通, 青山 孝信, 西岡 孝純

    (株)南江堂 胸部外科   59 ( 1 )   83 - 85   2006年01月( ISSN:0021-5252

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    60歳男性.患者は労作事の胸部圧迫感で近医を受診,心電図異常と冠動脈造影で左冠状動脈主幹部病変を含む2枝病変を指摘され紹介入院となった.X線では右第1,2弓と左第4弓の突出,心胸郭比57%と心拡大を認め,心電図でII,III,aVF,V1,V2に異常Q波を認めた.心カテーテル検査では,冠状動脈造影上,#3:100%,#5:50%,#6:90%で,左室駆出率33%であった.左鎖骨下動脈(LSA)にカテーテル挿入ができず,左内胸動脈(LITA)は造影できなかったが,右内胸動脈(RITA)は良好に造影された.MD CTでは弓部の分枝順序は左総頸動脈,右総頸動脈,右鎖骨下動脈,起始異常を伴うLSA(aberrant LSA)の順で,aberrant LSAは大動脈憩室より起始し,その起始部とLITAの狭小化を認めた.以上より,心停止下にRITAを#8,大伏在静脈グラフトを#15,#4房室枝および#4後下行枝にsequentialバイパスして4枝CABGを施行した.その結果,術後は経過順調で,全グラフトの開存を確認して退院となった

  • Reverse remodeling after endoventricular circular patch plasty in the mid-term period. 査読

    Fujii H, Ohashi H, Tsutsumi Y, Kawai T, Iino K, Onaka M

    Interactive cardiovascular and thoracic surgery   4 ( 6 )   602 - 605   2005年12月( ISSN:1569-9293

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    左室前壁の心室瘤に対する外科的修復は,reverse remodelingと関係し,下壁の心筋機能の改善することが報告されてきた.我々はDor手術を行った患者の心筋シンチを行い,QGSを用いて右冠動脈領域の壁運動について評価した.Dor手術を施行した18症例において,術前,術後早期,中期のQGSを調査した.右冠動脈領域の病変に対してCABGを行った10例(B群)と右冠動脈にCABGを行わなかった8例(N群)に分けた.Wall thickening functionは,収縮期末期と拡張期末期のwall thicknesの変化にて評価した.両群ともに中期遠隔期において,著明に壁運動は改善した.術前のwall thicknesはB群ではN群より悪かったが,中期遠隔期において,B群もN群と同様に改善していた.下壁の壁運動の改善は,CABGの有無に関係はなかった.Dor手術後の中期遠隔期には,reverse remodelingが起こっていると思われた.

    DOI: 10.1510/icvts.2005.114918

    PubMed

  • Paradoxical cerebral embolism in a patient with Paget-Schroetter syndrome. 査読

    Aoyama T, Suehiro S, Shibata T, Sasaki Y, Fujii H

    Annals of thoracic and cardiovascular surgery : official journal of the Association of Thoracic and Cardiovascular Surgeons of Asia   11 ( 6 )   429 - 31   2005年12月( ISSN:1341-1098

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    担当区分:最終著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    28歳男.一時的な言語障害と軽度の片麻痺を有していた.脳CT検査では小脳内に低密度部位を認め,肺シンチスキャンでは両側の肺に多重血流欠損を認めた.また,カテーテル法では肺高血圧を認め,上肢の静脈造影で左鎖骨下静脈に障害を認めた.更に,Doppler心エコー検査で患者の卵円孔経由の右左短絡を認めた.これらの結果からPaget-Schroetter症候群による奇異性脳塞栓症が疑われた.血栓の原因は左鎖骨下静脈であり,血栓塞栓性イベントを防御するためには手術が必要と考えられた.手術時には胸骨の上半分は中線で切開し,左腕頭静脈は結紮した.術後,血栓塞栓性エピソードは起こっていない

    PubMed

  • Relationship between granulocyte elastase and C3a under protamine dosing in on-pump cardiac surgery 査読

    Fujii H, Suehiro S, Kumano H, Shibata T, Hattori K, Hirai H, Aoyama T

    EUROPEAN JOURNAL OF CARDIO-THORACIC SURGERY   28 ( 3 )   431 - 434   2005年09月( ISSN:1010-7940

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    補体と顆粒球は体外循環を用いた開心術の際活性化されることは知られている.補体はプロタミン投与後に急激に上昇することが知られている.そこで補体が直接顆粒球に影響を及ぼすならば,プロタミン投与後に顆粒球エラスターゼ(GEL)が急激に上昇すると思われる.CABGを行った30症例を,体外循環終了後5分でプロタミン投与した15例と35分で投与した15例に分けた.全例ヘパリンコーティング人工心肺回路を使用し,ヘパリンの初期投与量は300IU/kg,プロタミン投与量は3mg/kgとした.GELとC3aの計測は7時点で行った.GELは大動脈遮断解除後に上昇したが,プロタミン投与には影響されなかった.一方でC3aは体外循環中には上昇せず,プロタミン投与により著明に上昇した.この研究により,GELは大動脈遮断解除後に上昇し,補体は直接GELの放出を促さないことが示唆された.

    DOI: 10.1016/j.ejcts.2005.05.020

    PubMed

  • Comparison of volume study by left ventriculography and gated SPECT in endoventricular circular patchplasty. 査読

    Fujii H, Ohashi H, Tsutsumi Y, Kawai T, Iino K, Onaka M

    Journal of cardiac surgery   20 ( 4 )   322 - 5   2005年07月( ISSN:0886-0440

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    Quantitative gated SPECT (QGS)は左室容量の評価には広く使用されているが,広範囲心筋梗塞やDor手術の様な左室形成術後の評価では確立されていない.我々はDor手術の前後でのQGSとLVGにおける左室容量と駆出率(LVEF)を比較することにした.心筋梗塞後左室瘤の16症例(男/女=13/3,平均年齢67歳)に対してDor手術を施行した.全症例で術前後にQGSとLVGを行った.左室拡張末期容量(LVEDV)と左室収縮末期容量(LVESV),LVEFをQGSとLVG間で比較した.Dor手術前後でのLVEDV, LVESV,LVEFにおいて,QGSとLVG間に著明な相関関係が認められた.ところが,QGSで算出された術前の左室容量やLVEFは,LVGより算出されたそれより小さかった.QGSによる術後の容量データはLVGによるデータと非常に近似していた.本研究では,Dor術後の左室機能の評価には,QGSによる検査が非常に有効であることが示唆された.

    DOI: 10.1111/j.1540-8191.2005.200454.x

    PubMed

  • Radionuclide study of mid-term left ventricular function after endoventricular circular patch plasty. 査読

    Fujii H, Ohashi H, Tsutsumi Y, Kawai T, Iino K, Onaka M

    European journal of cardio-thoracic surgery : official journal of the European Association for Cardio-thoracic Surgery   26 ( 1 )   125 - 8   2004年07月( ISSN:1010-7940

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    Dor 手術の早期治療成績は報告されているが,遠隔期成績についてはほとんどされていない.我々はDor手術後の左室機能の中期遠隔期成績をGated SPECTを用いて評価した.心筋梗塞後Dor手術を施行した14例にGated SPECTを施行した.症例は平均年齢67歳,Gated SPECTにて左室拡張末期容量係数(LVEDVI),収縮末期容量係数(LVESVI),駆出率(EF)をQGS(+)プログラムを使用して算出した.Gated SPECTは,術前,術後早期(23日),術後中期遠隔期(32ヶ月)に行った.EDVIは術前より術後早期にかけて改善した.早期と中期遠隔期間では変化はなかった.ESVIも同様な変化をした.EFは術前,術後早期,中期遠隔期へと改善した.Dor手術の直接的影響で左室機能は改善した.さらにESVIやEFは中期遠隔期にかけて改善した.本研究よりDor手術の影響は長期に維持できreverse remodelingに関与していることが示唆された.

    DOI: 10.1016/j.ejcts.2004.03.008

    PubMed

  • A new poly-2-methoxyethylacrylate-coated cardiopulmonary bypass circuit possesses superior platelet preservation and inflammatory suppression efficacy. 査読

    Ikuta T, Fujii H, Shibata T, Hattori K, Hirai H, Kumano H, Suehiro S

    The Annals of thoracic surgery   77 ( 5 )   1678 - 83   2004年05月( ISSN:0003-4975

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    PMEAをコーティングした対外循環回路を使用し開心術を使用した15例(P群)とヘパリンコーティング回路を使用した15例(H群),通常回路を使用した15例(N群)の間で比較検討した.分析項目は血小板数,補体,IL-6,IL-8とした.血小板数はP群で有意に保持された.術後出血量は3群間で差はなかった.体外循環中のC3aはH群で有意に低かった.IL-6, IL-8はP群で有意に低値であった.PMEAコーティング回路を使用すれば,血小板数や炎症性サイトカインは抑制されるが,補体活性は抑制はされなかった.

    DOI: 10.1016/j.athoracsur.2003.10.060

    PubMed

  • 心臓・大血管手術後の低酸素血症に対するシベレスタットの使用経験 査読

    藤井 弘通, 大橋 博和, 堤 泰史, 河合 隆寛, 飯野 賢治, 大中 正光

    医学図書出版(株) ICUとCCU   28 ( 5 )   377 - 381   2004年05月( ISSN:0389-1194

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    心臓・大血管手術後に肺障害をきたした15症例にシベレスタットナトリウム水和物(シベレスタット)を0.2mg/kg/hr で持続投与し,11例が投与後4.6±3.2 日で人工呼吸器離脱可能であった.症例7(74歳女性)は経口摂取可能であったが脳梗塞にて術後2ヵ月で突然死した.その他10例は退院できた.人工透析を行った4例全例で人工呼吸器離脱不可能で,多臓器不全,MRSAによる敗血症,術後クモ膜下出血により死亡したが,急性肺障害が直接の死因ではなかった.人工呼吸器離脱不可能例でもシベレスタット投与により,A-aDO 2や肺障害スコアの著明な改善を認めた.全例でシベレスタット投与による副作用は認めなかった.心臓・大血管手術後の低酸素血症にシベレスタット投与は有効であるが,心臓・大血管手術後に急性腎不全をきたした場合は,シベレスタットの効果が期待できない可能性が高いと考えられた

  • Sonoclot analysis in cardiac surgery in dialysis-dependent patients. 査読

    Shibata T, Sasaki Y, Hattori K, Hirai H, Hosono M, Fujii H, Suehiro S

    The Annals of thoracic surgery   77 ( 1 )   220 - 5   2004年01月( ISSN:0003-4975

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)   国際・国内誌:国際誌  

    DOI: 10.1016/s0003-4975(03)01517-0

    PubMed

  • 胸部CTにて確定診断を得た外傷性胸部大動脈破裂の1救命例 査読

    藤井 弘通, 堤 泰史, 大橋 博和, 河合 隆寛, 越田 嘉尚, 大中 正光

    (株)南江堂 胸部外科   56 ( 12 )   1049 - 1052   2003年11月( ISSN:0021-5252

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    64歳男.乗用車運転中に受傷した.胸部CTでは,大動脈弓部小彎側への造影剤の漏出,低吸収域,胸水貯留を認めた.また,左鎖骨動脈分枝直後の大動脈弓部小彎側に造影剤の流出を認めた.左尺骨,左膝蓋骨の骨折を認めたが,腹部CT上異常は認めなかった.頭部外傷,四肢骨折を伴う外傷性胸部大動脈破裂と診断し,ショック状態であるため,緊急手術となった.開胸すると,左鎖骨下動脈分枝部より末梢側1cmの小彎側に亀裂を認めた.最近のCT検査では外傷性胸部大動脈破裂の診断が可能であり,有効であると思われた

  • 急性心筋梗塞による左室自由壁破裂に対する手術成績 査読

    藤井 弘通, 大橋 博和, 堤 泰史, 河合 隆寛, 月岡 俊英, 大中 正光

    (NPO)日本冠疾患学会 日本冠疾患学会雑誌   9 ( 3 )   147 - 150   2003年09月( ISSN:1341-7703

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    著者らが手術を行った急性心筋梗塞後の左室自由壁破裂15例を,破裂様式によりblow-out型6例とoozing型9例に分け,その手術成績について検討した.心エコーで術前心嚢液はblow-out型で2例,oozing型で4例が確認された.blow-out型では,全例に直接閉鎖法を行い,うち体外循環を用いずに破裂部閉鎖が可能であった1例は生存退院したが,残る5例は死亡した.oozing型では接着法による圧迫止血を行った5例中4例は生存,直接心筋縫合した4例中3例は死亡した

  • 心大血管術後に発症したmyonephropathic metabolic syndrome 7例の検討 査読

    藤井 弘通, 大橋 博和, 堤 泰史, 河合 隆寛, 月岡 俊英, 大中 正光

    (NPO)日本心臓血管外科学会 日本心臓血管外科学会雑誌   32 ( 4 )   230 - 233   2003年07月( ISSN:0285-1474

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    心大血管術後に発症したmyonephropathic metabolic syndrome(MNMS)7例について検討した.年齢は43〜81歳,男性5例,女性2例であった.原疾患は心筋梗塞4例,急性大動脈解離3例(Stanford A型2例,B型1例)であった.MNMSの直接原因は,心筋梗塞例ではIABPまたはPCPSによる下肢虚血,大動脈解離例では解離による下肢虚血であった.施行手術はCABG 4例,上行弓部大動脈人工血管置換術+CABG 2例,左腋窩-大腿動脈バイパス術1例であった.MNMSに対する対処・治療は,IABPやPCPS抜去可能な3例は抜去し,下肢灌流法を1例,血液透析濾過を2例に行った.IABPやPCPS抜去不能な1例では,人工血管を間置して挿入,送血管の部位を変更した.大動脈解離例では筋膜切開を1例,直接血行再建を2例に行い,全例で持続血液濾過や血液濾過を行った.7例中4例が死亡し,3例がCABG術後症例であった

  • Mallory - weiss tear complicating intraoperative transesophageal echocardiography. 査読

    Fujii H, Suehiro S, Shibata T, Aoyama T, Ikuta T

    Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society   67 ( 4 )   357 - 8   2003年04月( ISSN:1346-9843

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    症例は62歳の男性.CABGが施行中に行われた経食道心臓超音波検査の合併症としてMallory-Weiss症候群を発症した.術中左心室機能を経胃的に観察していた.術後の上部内視鏡検査にてMallory-Weiss損傷が食道-胃移行部に観察された.経食道エコープローベによる接触損傷と超音波の熱傷に起因するものと考えられた.観察しない際には,エコープローベを食道内にて留置して,超音波装置をOFFにしておくべきである

    DOI: 10.1253/circj.67.357

    PubMed

  • 多臓器虚血を合併した急性大動脈解離術後のmyonephropathic metabolic syndrome 査読

    藤井 弘通, 大橋 博和, 堤 泰史, 河合 隆寛, 越田 嘉尚, 大中 正光

    (株)南江堂 胸部外科   56 ( 2 )   103 - 106   2003年02月( ISSN:0021-5252

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    60歳男.胸痛,右下肢痛を主訴とした.右下肢急性動脈閉塞を合併したStanford A型急性大動脈解離であり,発症7時間から緊急手術を施行して術後myonephropathic metabolic syndrome(MNMS)を合併したが,血液透析濾過を早期から行い,救肢救命し得た.その後,順調に排尿が認められて最終的に血液透析濾過より離脱できた

  • 急性心筋梗塞による左室自由壁破裂に対する手術成績 査読

    藤井 弘通,大橋 博和,堤 泰史,河合 隆寛,月岡 俊英,大中正光

    日本冠疾患学会・冠疾患学会雑誌   9   147 - 150   2003年

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    【目的】急性心筋梗塞(AMI)後の左室自由壁破裂の治療は不良である.そこで当院の手術成績について検討した.【対象】AMI後の左室自由壁破裂に対し手術を行った15例を,blow-out型6例(男/女=2/4)とoozing型9例(男/女=3/6)に分類した.心エコー上blow-out型では2例で術前心囊液が,oozing型では4例で術前心囊液が確認された.【結果】blow-out型では術前に大動脈内バルーンパンピングを4例に経費的心配補助を3例に装着し,全例に直接閉鎖を行った.体外循環を用いずに破裂部閉鎖が可能であった1例のみ生存退院し,5例は死亡したoozing型では術にIABPを5例に装着した.装着法を行った5例中4例が生存,心筋縫合した4例中3例が死亡した.【結語】AMI後左室自由壁破裂に対しては術前にIABPを挿入し,体外循環非使用下に装着法を行うことが救命率改善につながるものと考えられた.

  • Batista手術,Alfier法による僧帽弁形成術,ICD植え込み術を行った拡張型心筋症の1例 査読

    藤井 弘通, 大橋 博和, 堤 泰史, 河合 隆寛, 月岡 俊英, 大中 正光

    北陸外科学会 北陸外科学会雑誌   21 ( 1 )   73 - 76   2002年12月( ISSN:0913-7629

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    53歳男.心エコー上高度の僧帽弁逆流,左室内径の拡大を認めた.左室造影上も著明な心拡大,駆出率の低下を認めた.手術はCarpentier-Edwards Physio ring 26mmを用いて僧帽弁輪縫縮術を行った後に心拍動下にBatista手術を行い,左室よりAlfieri法による僧帽弁形成術を行った.術後16日後にICD植え込み術を行った

  • Open heart surgery for posttraumatic inferior vena caval thrombosis. 査読

    Fujii H, Ohashi H, Tsutsumi Y, Onaka M

    European journal of cardio-thoracic surgery : official journal of the European Association for Cardio-thoracic Surgery   22 ( 2 )   319 - 20   2002年08月( ISSN:1010-7940

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   国際・国内誌:国際誌  

    症例は40歳の女性.腹部鈍的外傷による肝内血腫を発症した.1ヶ月後のCTにて下大静脈から右房にのびる血栓が認められた.緊急血栓除去を人工心肺下に行った.我々は肝静脈に裂傷が加わり形成された血栓が下大静脈から更に右房にまで進展し,肺塞栓至る前であったと考えた.我々は深刻な結果を回避することができたと考えている.

    DOI: 10.1016/s1010-7940(02)00276-2

    PubMed

  • Value of intraoperative transesophageal echocardiography in preventing serious complications during valvular surgery. A report of four cases. 査読

    Fujii H, Suehiro S, Shibata T, Hattori K, Watanabe H, Yoshikawa J

    The Journal of heart valve disease   11 ( 1 )   135 - 8   2002年01月( ISSN:0966-8519

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国際誌  

    弁膜症手術の際に行う術中エコーにて,稀であり重症合併症となりうる所見を136例中4例(2.9%)に認めた.症例1は僧帽弁置換術の際SJM弁の1葉が固定していたので,90度回転することで事なきを得た.症例2はCEP弁を使用した僧帽弁置換術の症例で,中等度の僧帽弁位逆流を認めたため,SJM弁にて弁置換術を再度施行した.逆流の原因はsuture loop jammingであった.症例3は,弁周囲逆流が,感染性心内膜炎に対する大動脈弁置換術後に指摘された.逆流の部位の弁輪部に糸を追加することで弁周囲逆流は消失した.症例4では,大動脈弁置換術の際に左房内に異物が認められた.大動脈弁は著明に石灰化しており,その一部が脱落したものと思われた.術中経食道心エコーは行われるべきものであり,人工心肺終了までに重症合併症を回避させる可能性を有している.   

    PubMed

  • 肺虚脱例における僧帽弁置換(Mitral Valve Replacement in a Patient With a Collapsed Lung) 査読

    Fujii Hiromichi, Suehiro Shigefumi, Shibata Toshihiko, Sasaki Yasuyuki, Murakami Tadahiro, Kinoshita Hiroaki

    シュプリンガー・ジャパン(株) The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY   49 ( 2 )   122 - 124   2001年02月( ISSN:1344-4964

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    67歳男.18歳以来肺結核の既往があり,重い僧帽弁逆流による息切れがあった.MRIで心は左胸腔内に転位し,長軸が時計方向に回転していた.1秒努力肺活量は1.06lで肺活量は2.48lであった.胸骨正中切開で手術を行い,内胸動脈harvest refractorを用い手術野に露出した.広範な心膜suspensionで正中線を越えている過膨張の右肺を圧迫した.体外循環を行い,僧帽弁を人工弁に置換した.体外循環からは容易に離脱し,手術当日に抜管した

  • 特発性胆嚢穿孔による汎発性腹膜炎の1治験例 査読

    藤井 弘通, 徳山 彰俊, 大場 一輝, 奥田 栄樹, 山本 隆嗣, 臼井 典彦, 木下 博明

    (株)南江堂 外科   62 ( 7 )   842 - 844   2000年07月( ISSN:0016-593X

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    70歳男.夕食後突然心窩部痛を訴え救急搬送され,入院時所見では心窩部に著明な圧痛があったが,腹膜刺激症状は認めなかった.腹部超音波所見では胆嚢腫大は認めるが,壁肥厚,結石,Debrisは描出されず,肝内胆管・総胆管の拡張も認めなかった.第2病日に行われた上部・下部消化管内視鏡検査で異常所見はなく,第3病日の腹部単純X線像で麻痺性イレウス像が認められ,上部消化器が病巣となった汎発性腹膜炎を強く疑い第4病日に緊急開腹手術を施行した.手術所見では胆嚢は十二指腸と癒着し,胆嚢底部に壁の菲薄な壊死と底部を中心に胆汁漏出がみられ,胆嚢壊死・穿孔に伴う汎発性腹膜炎と診断して胆嚢摘出術を施行した.病理組織学的所見では胆嚢底部に穿孔部を認め,全層にわたり壊死に陥っていた.術後,急性呼吸障害と播種性血管内凝固を併発したが術後第41病日に退院となった

  • 【同種弁,異種弁,自己弁置換の臨床】人工弁感染性心内膜炎に対してステントレス人工弁を用いて大動脈基部再建を行った2例 査読

    藤井 弘通, 末広 茂文, 柴田 利彦, 服部 浩治, 平居 秀和, 村上 忠弘, 細野 光治, 青山 孝信, 木下 博明

    (株)南江堂 胸部外科   53 ( 4 )   323 - 327   2000年04月( ISSN:0021-5252

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   共著区分:共著   国際・国内誌:国内誌  

    PVEにより左室-大動脈の連続性が失われた症例において,良好な結果を得た.しかし,ステントレス弁の長期予後はいまだ不明で,感染への抵抗性についても不明であり,今後注意深く経過観察することが重要である

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MISC(その他記事)

講演・口頭発表等

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担当教育概要

  • ・末梢血管病変に対する外科的治療
    ・大動脈瘤に対する外科的治療

その他

  • 職務経歴

    2005年04月 - 2005年09月

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    大阪市立大学附属病院 心臓血管外科 後期研究医

  • 職務経歴

    1997年04月 - 2001年03月

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    大阪市立大学大学院 外科学 院生

  • 職務経歴

    1995年05月 - 1997年03月

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    大阪市立大学 第二外科 研修医