2022/07/25 更新

写真a

ナカオカ タツオ
中岡 達雄
NAKAOKA Tatsuo
担当
大学院医学研究科 臨床医科学専攻 准教授
医学部 医学科
職名
准教授
所属
医学研究院

担当・職階

  • 大学院医学研究科 臨床医科学専攻 

    准教授  2022年04月 - 継続中

  • 医学部 医学科 

    准教授  2022年04月 - 継続中

論文

  • Clinical evaluation of [<sup>18</sup>F]pitavastatin for quantitative analysis of hepatobiliary transporter activity

    Nakaoka T.

    Drug Metabolism and Pharmacokinetics   44   2022年06月( ISSN:13474367

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  • 体重増加不良を認め胸部聴診異常を契機に診断された遅発性先天性横隔膜ヘルニアの一例

    岸 美成, 匹田 典克, 堀池 正樹, 中岡 達雄, 稲田 浩, 寺川 由美, 濱崎 考史

    大阪小児科医会会報   ( 198 )   39 - 44   2021年07月( ISSN:2189-4736

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    症例は生後9ヵ月の女児。周産期に異常所見を認めず、1ヵ月健診まで体重増加は良好であった。3ヵ月健診時に体重増加不良を、6ヵ月時には頻脈、発疹を指摘されるも心雑音なく、食物アレルギーの疑いで小麦、牛乳の除去食を行っていた。9ヵ月時に体重増加不良が改善せず、胸部聴診異常を認め、精査目的に当院へ紹介となった。胸部CT検査にて左胸腔内に腸管の逸脱像を認め、横隔膜ヘルニアと診断した。待機的に胸腔鏡下横隔膜ヘルニア修復術が施行され、術後経過は問題なく、術後5日目に退院となった。手術後3年になるが、再発はなく体重増加も順調となり、問題なく経過している。先天性横隔膜ヘルニアは生後早期に発症する早発型と、生後30日以降に発症する遅発性先天性横隔膜ヘルニア(以下本症)に分類される。本症は先天性横隔膜ヘルニアの5%程度と稀であるのに加え、呼吸器症状や循環不全などの症状を呈さない症例が多く、診断には時間を要することが多いとされる。また、一般的に予後は良好であるが、急激に悪化し死に至った報告もあり、注意を要する疾患である。自験例では乳幼児健診での胸部聴診という一般的な身体診察の異常が診断の契機となった。症状が続く場合にはフォローをとぎらせず、慎重に身体所見を確認し、必要に応じて精査を行うことの重要性が再確認された。稀な疾患ではあるが鑑別すべき疾患の一つであると再認識されたため、文献的考察を加え報告する。(著者抄録)

  • 若年者の鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術 安全性、有効性、信頼性の評価(Laparoscopic Percutaneous Extraperitoneal Closure for Inguinal Hernia in Young Adults: Assessment of Safety, Efficacy, and Reliability)

    Sakae Yukari, Morotomi Yoshiki, Noguchi Kohei, Yasuda Takeo, Shibata Toshihiko, Nakaoka Tatsuo

    Osaka City Medical Journal   67 ( 1 )   37 - 43   2021年06月( ISSN:0030-6096

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    間接型ヘルニアを有する若年患者における腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(LPEC)の適応を調査した。直接型ヘルニアまたは大腿ヘルニアを併発しておらずヘルニア門が小さい(ヘルニア開口部の直径20mm以下)間接型ヘルニアを有する15〜45歳の患者32例(男性18例、女性14例、年齢中央値28歳)が本研究に参加した。本研究の選択基準には腹部の手術の既往がなく、全身麻酔に耐えられることなどが含まれた。ヘルニア開口部の直径の中央値は8mmであり、手術時間の中央値は片側のヘルニア(22例)で31.5分、両側のヘルニア(10例)で32分であった。入院期間中央値は短く(3日)、術後に鎮痛剤を要した患者はいなかった。追跡期間中(中央値1812日)、手術部位の感染、ヘルニアの再発および手術部位の対側におけるヘルニアの発症は確認されなかった。以上の結果より、LPECを用いることで手術時間と入院期間は短縮でき、術後の痛みも軽減されるため、LPECは45歳以下の患者におけるヘルニア開口部の直径が20mm以下の間接型ヘルニアの治療として優れていることが示唆された。

  • 中間リスク腹部神経芽細胞腫に対する最適な手術 単一施設における後ろ向き研究(Optimal Surgery for Abdominal Intermediate-risk Neuroblastoma: Retrospective Study in a Single Institution)

    Santo Kenji, Yoneda Akihiro, Uehara Shuichiro, Nakaoka Tatsuo, Kamiyama Masafumi, Nakamura Tetsuro, Inoue Takeshi, Hara Junichi

    Osaka City Medical Journal   67 ( 1 )   29 - 35   2021年06月( ISSN:0030-6096

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    中間リスク神経芽細胞腫に対する最適な治療を特定するために、中間リスク腹部神経芽細胞腫の治療における外科的リスク因子を調べる後ろ向き研究を行った。Children's Oncology Groupにおけるリスク層別化に基づき、中間リスクであると分類された腹部神経芽細胞腫患者12例(男児8例、女児4例)を、外科的合併症を含む群(A群、男児4例、女児1例)と含まない群(B群、男児4例、女児3例)に分けた。診断時の年齢中央値はA群が7ヵ月齢(範囲4〜8ヵ月齢)、B群が7ヵ月齢(範囲0.1〜23ヵ月齢)であった。外科的合併症として腎摘出(2例)、腎萎縮(1例)、腸閉塞(1例)、射精障害(1例)が発生した。A群の全例(5例)とB群の29%(2例)において腫瘍の95%以上が切除された。診断時において、全患者がimage-defined risk factors(IDRFs)を有していたが、B群の1例において化学療法後にIDRFsを有さなくなった。追跡期間中央値175ヵ月後(範囲44〜263ヵ月)において全例が疾病なく生存していた。以上より、95%以上の腫瘍の切除は中間リスク腹部神経芽細胞腫治療における外科的リスク因子であり、合併症を避けるために局部的な腫瘍が残存するとしても保守的な手術が許容できることが示唆された。

  • Meconium-related ileus mimicking ileal atresia in a full-term neonate. 査読

    Yokoyama S, Nakaoka T, Nukada T, Ikeda Y, Hara S

    Pediatrics international : official journal of the Japan Pediatric Society   63 ( 2 )   229 - 231   2021年02月( ISSN:1328-8067

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1111/ped.14531

    PubMed

  • 正期産新生児において回腸閉鎖との鑑別を要した胎便関連性腸閉塞(Meconium-related ileus mimicking ileal atresia in a full-term neonate)

    Yokoyama Satoshi, Nakaoka Tatsuo, Nukada Takayuki, Ikeda Yuka, Hara Shigeto

    Pediatrics International   63 ( 2 )   229 - 231   2021年02月( ISSN:1328-8067

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    回腸閉鎖(IA)との鑑別を要した胎便関連性腸閉塞(MRI)の正期産新生児の男児症例について検討した。出生前超音波検査では特記すべき異常はなかった。出生後に腹部膨満を認め新生児集中治療室の管理となり、生後1日目に経鼻胃管吸引を開始した。生後24時間以内に胎便の排泄は認めなかった。X線画像所見からIAを含む新生児腸閉塞が疑われたため、生後2日目に開腹術を施行した。胎便の詰まった腸ループなどを認めたが、腸閉鎖や回転異常など腸閉塞の原因となる所見は認めなかった。注腸造影直後からgastrografinが排泄されたことから、Hirschsprung病とその関連疾患は否定的であった。術後4日目に胎便を疑う腹部膨満が出現したため高圧浣腸を施行した。その後は問題なく経過し、第28日に軽快退院となった。術後検査では嚢胞性線維症は否定され、最終的にMRIと確定診断した。

  • Successful olive oil enema through enterostomy in an extremely low birthweight infant with milk curd syndrome. 査読

    Yokoyama S, Nakaoka T, Matsuzaki S, Nukada T, Hara S

    Pediatrics international : official journal of the Japan Pediatric Society   63 ( 1 )   110 - 111   2021年01月( ISSN:1328-8067

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1111/ped.14364

    PubMed

  • ミルクカード症候群の超低出生体重児における腸瘻造設術を介したオリーブオイル浣腸の成功(Successful olive oil enema through enterostomy in an extremely low birthweight infant with milk curd syndrome)

    Yokoyama Satoshi, Nakaoka Tatsuo, Matsuzaki Sayaka, Nukada Takayuki, Hara Shigeto

    Pediatrics International   63 ( 1 )   110 - 111   2021年01月( ISSN:1328-8067

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    症例は週齢29女児で、妊娠週数29週目に緊急帝王切開で生まれた。体重は730gで、アプガースコアは1分で1点、5分で6点であった。4日間、中等度の呼吸困難に対してバイレベル気道陽圧を行った。5日目にメコニウムイレウスによる腸管穿孔が生じたため、無縫合の回腸造瘻術を行った。術後の経過は順調であった。母親がHTLV-1キャリアであったため、11日目に経鼻チューブから市販の牛乳を開始し、23日目から強化ミルクを与えた。その後、24日目にストーマ狭窄のため腸瘻造設からドレナージチューブを挿入した。27日目に排便が困難となり、小腸の膨張が認められた。超音波検査では、高エコーの腫瘤が認められ、造影注腸では、管腔内の充填不良と小石状の便が認められた。ガストログラフィンのストーマからの注入では効果がなかったため、5mLのオリーブオイル浣腸を6時間毎に行った。その結果、治療開始後2日目には、さまざまな小石状の便がスムーズに排出された。ラクトベゾアールは脂肪酸のカルシウム塩で構成されていた。患者をミルクカード症候群と診断した。その後、エレンタール配合の粉ミルクを与え、さらに強化ミルクを与えた。112日目に体重1414gでストーマ閉鎖術を行ったが、腸瘻閉鎖術後7日目に吻合不全と再吻合により再手術となった。再手術後の術後経過は順調であった。168日目には体重2058gとなり、元気に退院した。

  • Congenital biliary dilatation appearing 3 years after the correction of duodenal atresia with pancreaticobiliary maljunction. 査読

    Yokoyama S, Nakaoka T

    Pediatrics international : official journal of the Japan Pediatric Society   62 ( 12 )   1389 - 1391   2020年12月( ISSN:1328-8067

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1111/ped.14323

    PubMed

  • Congenital biliary dilatation appearing 3 years after the correction of duodenal atresia with pancreaticobiliary maljunction(和訳中) 査読

    Yokoyama Satoshi, Nakaoka Tatsuo

    John Wiley & Sons Australia, Ltd Pediatrics International   62 ( 12 )   1389 - 1391   2020年12月( ISSN:1328-8067

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  • Successful use of intraoperative ICG fluorescence lymphography and fibrin sealant with PGA felt for refractory chylous ascites in an infant: a novel procedure. 査読

    Yokoyama S, Nakaoka T

    Pediatrics international : official journal of the Japan Pediatric Society   62 ( 7 )   862 - 863   2020年07月( ISSN:1328-8067

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1111/ped.14190

    PubMed

  • 難治性乳び性腹水に対して術中ICG蛍光リンパ管造影およびPGAフェルトとフィブリン充填剤の併用が成功した1例 新規治療法(Successful use of intraoperative ICG fluorescence lymphography and fibrin sealant with PGA felt for refractory chylous ascites in an infant: a novel procedure) 査読

    Yokoyama Satoshi, Nakaoka Tatsuo

    John Wiley & Sons Australia, Ltd Pediatrics International   62 ( 7 )   862 - 863   2020年07月( ISSN:1328-8067

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は生後2ヵ月半の女児で、生後1ヵ月から徐々に腹部膨満を呈し受診した。腹部穿孔検査の結果、黄色液を検出した。乳び性腹水(CA)と診断し、リンパ液排出を減少させるために小児用成分栄養(ED-P)と中鎖トリグリセリド(MCT)ミルクを2週間経口投与したが、改善しなかった。絶食と完全非経口栄養に変更して2週間続けたが変化はなかった。腹腔鏡下リンパ管修復手術を行った。しかし、術中にリンパ液漏出部位を特定することは困難であったため、臍ポートサイトを利用した開腹手術を行った。横隔膜下の後腹膜腔に滲出液が認められたが、リンパ瘻の正確な位置は特定できなかった。インドシアニングリーン注射後に近赤外PDEカメラシステムを用いた蛍光イメージングでリンパ管を確認した。リンパ管は、胸管と連絡しており、横隔膜右脚レベルに確認できたが、縫合結紮は困難であった。そこで、横隔膜下の腹腔後部の表面にポリグリコール酸(PGA)フェルトを使用し、フィブリン接着剤の薄い層をPGAフェルト上に塗布した。術後の異常はなく、6ヵ月間の経過観察では腹水は完全に消失した。

  • 食物アレルギー様の症状を呈した先天性胆道拡張症の1例 査読

    前田 啓祐, 杉峰 啓憲, 水野 真介, 堀 六希, 高橋 俊恵, 額田 貴之, 深尾 大輔, 横山 宏司, 池田 由香, 原 茂登, 平海 良美, 濱畑 啓悟, 吉田 晃, 横山 智至, 中岡 達雄

    (株)日本小児医事出版社 小児科臨床   73 ( 6 )   895 - 898   2020年06月( ISSN:0021-518X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    先天性胆道拡張症(cogenital biliary dilatation;CBD)は腹痛や嘔気・嘔吐、黄疸などの症状が現れることが多いが、皮膚症状を呈することは稀である。今回、食物アレルギー様の症状を呈したCBDの1例を経験したので報告する。症例は1歳11ヵ月の女児。既往に川崎病があるが、これまでアレルギー疾患を指摘されたことはない。昼食後の口唇・眼瞼の腫脹で救急外来を受診し、その後、食後の一過性の皮疹・発汗を繰り返した。血液検査において肝・胆道系酵素の上昇を認め、腹部超音波検査で胆道拡張を認めた。精査によりCBDの診断に至り、拡張総胆管・胆嚢切除および胆管空腸吻合術を行った。術後、皮膚症状は次第に消失した。皮膚症状に関する病歴は食物アレルギーを想起させるものであるが、食品の特異性に乏しく否定的だった。痛みや精神的ストレスを感じる場面で紅斑が出現したエピソードがあり、コリン性じんま疹に類似した病態が推察された。(著者抄録)

  • 新生児スクリーニングとしての腹部超音波検査 査読

    中岡 達雄, 横山 智至

    日本赤十字社和歌山医療センター 日本赤十字社和歌山医療センター医学雑誌   37   7 - 12   2020年03月( ISSN:1341-9927

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    当科では2018年11月から院内出生の新生児に対し健診目的で腹部超音波検査を行っている。その方法・手順について紹介し、2019年11月までに実施した711例の成績を報告した。腹部超音波検査で指摘された異常所見のうち頻度の高い上位3疾患は陰嚢水腫31%(108/347例)、水腎症18.6%(132/711例)、鼠径ヘルニア13.8%(98/711例)であった。このほか精巣上体垂腫大が12例、精巣上体嚢胞7例、精巣嚢胞3例、停留精巣2例、馬蹄腎1例、先天性胆道拡張症疑い1例であった。各疾患の代表例を提示した。

  • Neonatal eosinophilic gastroenteritis mimicking hypertrophic pyloric stenosis. 査読

    Yokoyama S, Nakaoka T, Nukada T, Ikeda Y, Hara S

    Pediatrics international : official journal of the Japan Pediatric Society   62 ( 1 )   99 - 101   2020年01月( ISSN:1328-8067

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1111/ped.14041

    PubMed

  • 肥厚性幽門狭窄症に似た新生児好酸球性胃腸炎(Neonatal eosinophilic gastroenteritis mimicking hypertrophic pyloric stenosis) 査読

    Yokoyama Satoshi, Nakaoka Tatsuo, Nukada Takayuki, Ikeda Yuka, Hara Shigeto

    John Wiley & Sons Australia, Ltd Pediatrics International   62 ( 1 )   99 - 101   2020年01月( ISSN:1328-8067

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は新生児の女児で、誘発分娩により妊娠40週6日に生まれ、出生体重は2920g、アプガー指数は生後1分で9、5分で10であった。活動的で胎便を排泄したが、生後1日目に無胆汁性嘔吐を呈した。牛乳ベースのミルクおよび母乳が与えられていた。生後2日目に体重が大きく減少し、NICUに移された。X線検査にて、胃が空気を含んで膨張し、小腸および大腸にガスが溜まっていることが示された。上部消化管(UGI)検査にて重度の幽門閉塞(GOO)が認められた。超音波検査にて胃噴門および幽門の壁肥厚が認められた。生後3日目に経管栄養にて母乳および市販のミルクを与えた。下痢を発症し、体重増加不良および胆汁性嘔吐が続いていた。臨床検査では好酸球増多を示したが、血清アレルギー検査で非特異的IgEの上昇はなかった。生後16日目に発熱および発疹を発症した。牛乳および母乳の経管栄養を中止し、容態は改善した。生後21日目の食道胃十二指腸内視鏡検査にて、幽門洞、十二指腸球部、十二指腸第二部に顕著な粘膜紅斑および浮腫が認められた。幽門洞および十二指腸の生検にて粘膜に好酸球性浸潤が認められた。アレルゲン特異的リンパ球刺激試験の結果から、牛乳アレルギーによる好酸球性胃腸炎と診断された。経管栄養をアミノ酸製剤に切り替えた後、数週間で好酸球増多は消失した。無胆汁性嘔吐は改善し、体重増加も良好であった。生後2ヵ月で退院し、6ヵ月後の経過観察では体重6510gで順調であった。

  • 腸重積で発症したバーキットリンパ腫の5例 初期治療に対する考察 査読

    三藤 賢志, 米田 光宏, 上原 秀一郎, 中岡 達雄, 神山 雅史, 塚崎 雪乃, 西本 聡美, 中村 哲郎, 原 純一, 藤崎 弘之, 井上 健, 福島 裕子

    (一社)日本小児血液・がん学会 日本小児血液・がん学会雑誌   56 ( 2 )   168 - 171   2019年09月( ISSN:2187-011X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】小児白血病・リンパ腫ガイドラインでは小児成熟B細胞性リンパ腫への初期治療には化学療法が推奨されている。一方、腸重積で発症したバーキットリンパ腫(以下、BL)は緊急的に外科療法を選択せざるをえないことも多い。今回、我々が経験した症例を後方視的に検討し、BLにおける外科療法の意義について考察した。【方法】2001年から2015年までに我々が経験した腸重積により発症したBL5例を対象とし、初期治療として原発巣を切除した群(以下、切除群)としなかった群(以下、化学療法群)に分け、後方視的に検討した。【結果】年齢中央値は13歳(2-21歳)、Murphy分類はStage IIが2例、Stage IIIが2例、Stage IVが1例であった。切除群3例、化学療法群2例で、切除群のうち完全切除は2例であった。手術(生検)から化学療法開始までの期間は切除群48日(18-50日)、化学療法群5日(1、9日)、治療期間は切除群3ヵ月(2-7ヵ月)、化学療法群6.5ヵ月(6、7ヵ月)であった。化学療法群の1例は腫瘍残存のため回盲部切除を要した。追跡期間は31ヵ月(0-173ヵ月)、死亡した1例を除いて無再発生存中である。【結論】切除群では化学療法開始までの期間が長くなるが、治療期間短縮というメリットもあった。外科療法の意義は基本的に急性腹症に対する緊急処置であるが、治療期間短縮につながる可能性もある。(著者抄録)

  • 小児単純性虫垂炎に対する保存的治療の経験 査読

    横山 智至, 中岡 達雄

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   55 ( 2 )   236 - 241   2019年04月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】近年、小児急性虫垂炎に対し、保存的治療が奏功するとの報告が散見されるようになった。当院における単純性虫垂炎に対する保存的治療の成績を検討し、さらに通院治療の可能性についても検討した。【方法】2007年1月から2017年12月までにCT検査にて急性虫垂炎と診断した212例中、単純性虫垂炎と診断された症例は168例であった。初期治療として保存的治療を行った86例を対象とし、診療録より後方視的に検討した。【結果】平均年齢10.8歳(5〜15歳)、男児49例、女児37例。48例は入院治療、38例に通院治療を行った。入院治療群の平均入院期間は4.6日(2〜9日)であった。保存的治療が奏功せず手術を行った症例は3例(入院治療群/通院治療群:2/1例)(3.5%)あり、治療成功率は入院治療群96%、通院治療群97%であった。保存的治療において合併症例は認めなかった。初回保存的治療が奏功した83例中、虫垂炎の再発を8例(9.6%)に認めた。平均再発時期は4.4ヵ月(3〜17ヵ月)。このうち5例は再発時に手術を行い、3例は再度保存的治療を行ったのち、待機的虫垂切除を行った。さらに再発を認めなかった75症例中7例に予防的手術を行った結果、最終的に15例(18.1%)で虫垂切除を行った。残る68例(81.9%)は再発なく経過観察中である。【結論】小児単純性虫垂炎の保存的治療の奏功率は高く、また約8割の症例で再発なく経過観察中である。さらに通院治療での抗菌薬管理でも治療成績は良好であり、治療の選択肢の一つとなり得る可能性が示唆された。(著者抄録)

  • Pulmonary Langerhans cell histiocytosis with thyroid involvement manifesting as recurrent bilateral pneumothorax and tension bullae in a 3-year-old child. 査読

    Yokoyama S, Nakaoka T, Fukao D, Yokoyama K, Hara S, Hamahata K, Yoshida A

    International journal of surgery case reports   60   239 - 243   2019年

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.ijscr.2019.06.027

    PubMed

  • 思春期に発症した骨盤原発ユーイング肉腫症例に対する卵巣移動術の試み 査読

    三藤 賢志, 米田 光宏, 中岡 達雄, 上原 秀一郎, 高間 勇一, 東尾 篤史, 中村 哲郎, 原 純一, 藤崎 弘之, 青野 勝成, 井上 健, 福島 裕子, 田中 正博

    (一社)日本小児血液・がん学会 日本小児血液・がん学会雑誌   55 ( 3 )   324 - 328   2018年10月( ISSN:2187-011X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    14歳女児。左股関節痛が出現し、前医で骨盤内腫瘤を指摘され、当院を受診した。画像診断、腫瘍生検で左恥骨原発ユーイング肉腫(EWS-ERG融合遺伝子発現)、右大腿骨、左坐骨転移と診断した。化学療法で腫瘍縮小を得たが右大腿骨と左坐骨転移は残存した。恥骨原発巣摘出の後、骨盤照射による治療を計画した。内分泌機能温存の目的で原発巣摘出と同時に腹腔鏡下右卵巣移動術を行った。卵巣血管を温存し、右傍結腸溝に固定した。原発巣とともに左恥骨と腹直筋の一部を合併切除した。病理所見では、一部に顕微鏡的腫瘍遺残が認められた。術後16日目より骨盤照射(計50.4Gy)を開始した。術後9ヵ月でE2、FSHは正常値となったが月経は発来しなかった。術後14ヵ月に胸腰椎に遠隔転移再発を認め、化学療法を再開したが術後25ヵ月に死亡した。思春期がん患者においても骨盤照射前の卵巣移動術は考慮すべきである。(著者抄録)

  • 巨大嚢胞性胎便性腹膜炎に対する多期的手術症例の検討 査読

    三藤 賢志, 上原 秀一郎, 米田 光宏, 中岡 達雄, 東尾 篤史, 塚崎 雪乃, 西本 聡美, 中村 哲郎

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   54 ( 5 )   1065 - 1070   2018年08月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】巨大嚢胞性胎便性腹膜炎(giant cystic meconium peritonitis:GCMP)は、出生直後より腹腔内の炎症性変化が強く、しばしば治療に難渋する。我々は多期的手術を基本方針としているが、今回、その妥当性を検証するために当院での症例を後方視的に検討した。【方法】2000年から2015年に当院で加療されたGCMP6例を対象とし、初回手術術式により腸瘻群とドレナージ群の2群に分け、その特徴を比較した。【結果】腸瘻群4例、ドレナージ群2例で、腸瘻群の1例を除いて出生前診断は胎便性腹膜炎であった。在胎週数、出生体重中央値はそれぞれ腸瘻群35.5週(34〜38週)、2,647g(2,526〜2,777g)、ドレナージ群34週(31、37週)、2,551g(2,397、2,705g)であった。ドレナージ群で手術時間は短く、出血量は少なかった。一方、術後栄養開始時期は腸瘻群で早い傾向であった。腸瘻群では全例2期的に手術され、ドレナージ群では1例が2期的、1例は3期的に手術された。両群ともに初回手術から最終手術までの期間は30日以上であった。合併症は腸瘻群で再手術を要した腹壁瘢痕ヘルニア1例、保存的に改善した吻合部狭窄1例で、ドレナージ群で保存的に改善した肝機能障害2例であった。全例生存退院し、観察期間中央値は37.5ヵ月(16〜186ヵ月)で、21トリソミー合併の1例を除いて、精神身体発育は良好であった。【結論】GCMPに対し、初回に腸瘻造設またはドレナージを行い、30日以降に根治手術を行う多期的手術で良好な結果を得た。GCMPにおける多期的手術は妥当と考えられた。(著者抄録)

  • 急性肝不全で発症した嚢胞性線維症の1乳児例 査読

    三藤 賢志, 高間 勇一, 中村 哲郎, 中岡 達雄, 東尾 篤史, 大野 耕一, 米田 光宏

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   54 ( 1 )   125 - 129   2018年01月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    患児は3ヵ月、男児。生後2週頃より嘔吐が出現し、生後3ヵ月の受診時、体重増加不良に加えて、腹部膨満が著明で腹部超音波検査にて多量の腹水を認めた。血液検査にて著明な凝固異常、低蛋白血症を認め、原因不明の急性肝不全として緊急入院となった。血漿交換、持続的血液濾過透析を行い、第6病日に原因検索のため開腹肝生検を施行し、病理組織所見からは嚢胞性線維症(cystic fibrosis、以下CF)が疑われた。便脂肪染色陽性、Sweat試験陽性、遺伝子解析にてCFTR遺伝子変異であるΔF508、Q1042Tfs5Xの複合ヘテロ変異を認めCFと診断した。進行性の呼吸不全、低栄養により生後7ヵ月で死亡した。日本ではCFの発症者が少なく早期診断は困難だが、乳児期に胆汁うっ滞をきたす可能性があり、肝病理所見が診断に有用であることが示唆された。(著者抄録)

  • Ultrasound-guided hydrostatic enema for meconium obstruction in extremely low birth weight infants: a preliminary report. 査読

    Nakaoka T, Nishimoto S, Tsukazaki Y, Santo K, Higashio A, Kamiyama M, Uehara S, Yoneda A, Tanaka Y, Ichiba H

    Pediatric surgery international   33 ( 9 )   1019 - 1022   2017年09月( ISSN:0179-0358

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1007/s00383-017-4129-9

    PubMed

  • ロタウイルスワクチン接種後に腸重積症を発症し腸切除を要した1例 査読

    東尾 篤史, 高間 勇一, 三藤 賢志, 中岡 達雄, 米田 光宏, 中村 哲郎

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   53 ( 2 )   272 - 276   2017年04月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    近年ロタウイルス感染性胃腸炎予防のためにワクチン投与が行われている。ワクチンの副作用として腸重積症が知られているが、今回我々はロタウイルスワクチン初回投与後に腸重積症を発症し、非観血的整復中に消化管穿孔をきたし手術を要した症例を経験したので報告する。症例は2ヵ月男児。嘔吐と血便を主訴に前医受診。腹部CT検査で腸重積症と診断された。初発症状から41時間後に非観血的整復を施行されたがその途中で穿孔をきたし当院に搬送、緊急開腹術にて腸切除および腸瘻設術を行った。症状発現の4日前にロタウイルスワクチンの初回接種の既往があったが、家族はワクチン接種後の腸重積症発症リスクの認識が不充分であり、そのため医療機関受診が遅くなった可能性が考えられた。ロタウイルスワクチン接種にあたっては、事前の患者家族への十分な情報提供が重要である。(著者抄録)

  • 5年間留置した中心静脈カテーテルが抜去困難となった血友病A小児例 査読

    三藤 賢志, 米田 光宏, 中岡 達雄, 上原 秀一郎, 東尾 篤史, 神山 雅史, 塚崎 雪乃, 西本 聡美, 村上 洋介, 藤野 光洋, 朴 永東

    (有)フジメディカル出版 Medical Nutritionist of PEN Leaders   1 ( 1 )   81 - 84   2017年03月( ISSN:2432-5678

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    6歳男児。生後8ヵ月時に血友病Aと診断され、CVポートを留置して凝固因子補充療法を継続していた。今回、留置後5年でCVポートが閉塞したため摘出目的で入院となった。全身麻酔下で手術を開始。ポートの摘出は容易であったがカテーテルを牽引すると抵抗が強く、拍動性の抵抗があり抜去は困難であった。ガイドワイヤーを挿入して牽引したところ、カテーテルは断裂し、先端の約5cmが体内に遺残した。血管造影室に移動し、小児循環器内科による心臓カテーテルでの摘出を試みた。カテーテルの先端約2cmは右心房壁内に埋まりこむように癒着しており、牽引すると右房壁がカテーテルと一緒に牽引され、血圧が低下したため抜去不能と判断した。右心房壁内の2cmを残し、カテーテルを可及的に短く切断して手術を終了とした。術後6日目に退院し、現在外来で経過観察中である。術後2年、残存カテーテルの位置、形態は不変で、合併症なく経過している。(著者抄録)

  • Implantable central venous access device in infants: Long-term results. 査読

    Ohno K, Nakaoka T, Takama Y, Higashio A, Santo K, Yoneda A

    Pediatrics international : official journal of the Japan Pediatric Society   58 ( 10 )   1027 - 1031   2016年10月( ISSN:1328-8067

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1111/ped.12945

    PubMed

  • 乳児における皮下埋め込み型中心静脈カテーテル 長期成績(Implantable central venous access device in infants: Long-term results) 査読

    Ohno Koichi, Nakaoka Tatsuo, Takama Yuichi, Higashio Atsushi, Santo Kenji, Yoneda Akihiro

    John Wiley & Sons Australia, Ltd Pediatrics International   58 ( 10 )   1027 - 1031   2016年10月( ISSN:1328-8067

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    1995年9月〜2014年3月に皮下埋め込み型中心静脈カテーテル(CVAD)を施行した乳児120例(男児70例、女児50例)を、1歳未満または体重10kg未満の児(A群)25例(平均12.5±5.9ヵ月)と1歳以上または体重10kg以上の児(B群)95例(平均78.8±58.9ヵ月)に分け、CVADの長期成績と合併症を比較した。A群とB群の手術時間はそれぞれ57±29分と52±21分、中心静脈へのカテーテル留置が困難であった児は5例と16例、合併症が出現した児は1例と7例であった。CVADの留置期間はそれぞれ627±494日と550±414日、治療前に抜去した児は5例と14例であった。CVADの臨床成績はA群とB群で差がなく、CVADは重篤な疾患を持つ1歳未満児に対して有用かつ安全であることが示された。

  • Early Detection and Treatment of Neuroblastic Tumor with Opsoclonus-Myoclonus Syndrome Improve Neurological Outcome: A Review of Five Cases at a Single Institution in Japan. 査読

    Takama Y, Yoneda A, Nakamura T, Nakaoka T, Higashio A, Santo K, Kuki I, Kawawaki H, Tomiwa K, Hara J

    European journal of pediatric surgery : official journal of Austrian Association of Pediatric Surgery ... [et al] = Zeitschrift fur Kinderchirurgie   26 ( 1 )   54 - 9   2016年02月( ISSN:0939-7248

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1055/s-0035-1564714

    PubMed

  • 【エンジョイ!症例報告:手術・治療の工夫(II)】超低出生体重児の消化管穿孔に対するループ式腸瘻造設術の工夫 当院で施行しているsutureless fascial and skin bridge loop enterostomy 査読

    高間 勇一, 中村 哲郎, 米田 光宏, 中岡 達雄, 東尾 篤史, 三藤 賢志, 本田 優子

    (株)東京医学社 小児外科   47 ( 12 )   1284 - 1288   2015年12月( ISSN:0385-6313

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    超低出生体重児(ELBW)や手術時体重1000g未満児の消化管穿孔の腸瘻造設時に施行しているsutureless fascial and skin bridge loop enterostomy(本術式)を報告した。ELBWに対する工夫として、腸間膜の窓は辺縁血管より根部側に作成し、腸瘻の脱落を予防するために腹壁と皮膚で腸瘻を支持する橋渡しを作成している。2013年1月〜2014年12月の7例に本術式を施行し、在胎週数は平均25週0日、手術時体重は平均723g、手術日齢は平均7.1日であった。5例は一期的に腸瘻造設術を施行し、2例は腹腔ドレナージ術を先行させて二期的に腸瘻造設を施行した。経腸栄養再開は術後平均6.8日目であり、早期合併症は認めなかった。転帰は、慢性肺疾患増悪のため腸瘻閉鎖に至らず遠隔期に死亡した1例と、点滴ライン感染から敗血症で術後15日目に死亡した1例を除き、5例は生存している。

  • 小児盲腸軸捻転症の1例 査読

    堀池 正樹, 中岡 達雄, 中村 哲郎, 大野 耕一, 高間 勇一, 銭谷 昌弘, 東尾 篤史

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   50 ( 2 )   251 - 256   2014年04月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    盲腸軸捻転症は放置すると盲腸壊死に陥る緊急性の高い疾患であり小児では稀である。症例は8歳男児。腹痛、嘔吐を主訴に来院。腹部立位単純レントゲンで左上腹部に胃泡と一部重なる巨大なniveau像を認めた。右上腹部には多数の小腸ガス像を認めた。単純イレウスと診断し入院の上保存的加療開始した。しかし入院翌日には腹部緊満、広範囲の腹膜刺激症状が出現した。入院時の画像所見を再検討すると盲腸軸捻転症であることが判明し、緊急で捻転解除術を施行した。術後一旦敗血症性ショックに陥ったがその後軽快し退院となった。本症は重症心身障害児の占める割合が高く腹部症状が乏しいため診断が遅れやすい。腹部単純レンドゲン検査のみで診断しうる特徴的画像所見の熟知こそが重要であり、その上で慎重な対応をしていく必要があると思われた。(著者抄録)

  • 鼠径管アプローチによるヘルニア修復術習得に必要な手術執刀数 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術導入後の問題点 査読

    大野 耕一, 中村 哲郎, 中岡 達雄, 高間 勇一, 東尾 篤史, 三藤 賢志

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   50 ( 2 )   211 - 216   2014年04月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】鼠径ヘルニアに対する鼠径管アプローチによる修復術(従来法)を習得するために必要な手術執刀数を求めるため、研修医が行った従来法の手術時間を検討した。さらに腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(LPEC法)導入後の研修医の習熟度を評価した。【方法】LPEC法導入前に当科で修練した3名の研修医(A、B、C)が執刀した男児の片側従来法の手術時間を20例毎に区切り経時的に比較した。次にLPEC法導入後に修練した2名の研修医(D、E)の手術時間と比較した。【結果】研修医A、B、Cは3年間で127、124、131例の従来法を執刀し、61から80例目の手術時間は41から60例目に比べて有意に短縮し(A:41±10から35±6、B:33±11から27±7、C:40±15から32±10分;p<0.05)、81例目以降は有意差がなかった。また80例を執刀するために各々21、25、19ヵ月を要し、除外例を含めてこの間に執刀した男児の全従来法は各々93、104、92例であった。一方、研修医D、Eは24ヵ月間に34、30例しか従来法を執刀しておらず、手術時間は経時的に短縮していなかった。また最後の20例の手術時間は各々40±11と39±14分であり、研修医A、B、Cの61から80例目の手術時間より長かった。【結論】従来法を習得するには男児の鼠径ヘルニア修復術を約100例執刀する必要があると考えられた。LPEC法導入後は従来法を執刀する機会が激減し、十分な修練を積むことができなかった。従来法は小児外科医にとって習得すべき基本的手術であり、修練の機会を確保する必要がある。(著者抄録)

  • 小児悪性腫瘍に対する腫瘍生検術の有用性と問題点 査読

    堀池 正樹, 大野 耕一, 中村 哲郎, 東 孝, 中岡 達雄, 高間 勇一, 東尾 篤史

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   49 ( 6 )   1087 - 1090   2013年10月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】小児がんの集学的治療では正確な病理診断が必須であり、腫瘍生検術後迅速に化学療法を開始する必要がある。そこで当科で行った悪性腫瘍生検術を後方視的に検討した。【方法】生検術を行った悪性疾患61例(男/女:31/30、4.9±5.0歳)を対象とした。疾患は神経芽腫25例、悪性リンパ腫12例、腎芽腫5例、横紋筋肉腫5例、肝芽腫1例、その他13例であった。手術時間、出血量、到達法、生検病巣、手術合併症、生検病理診断と最終病理診断の一致性、生検術から化学療法までの期間を検討した。【結果】手術時間は124±41分、出血量は36±50gであり1例で輸血を要した。平均+SD以上出血した8例は腫瘍の脆弱性、複数個所の生検、長時間の剥離操作が出血の原因であった。到達法は開腹生検42例、開胸生検2例、体表リンパ節生検11例、その他6例であり、生検病巣は主病巣52例、転移巣9例であった。全例で手術合併症は認めなかった。生検術後に腫瘍摘出術を行った38例では生検病理診断と最終病理診断は全て一致していた。生検術から化学療法までの期間は5.6±4.4日であり、平均+SD以上かかった症例は6例であった。その理由はRSウイルス感染1例、インフルエンザ罹患児との接触1例、血液腫瘍科転科後の計画4例であった。【結論】腫瘍生検術で1例のみ輸血を要したが手術合併症はなく、外科的理由による化学療法の遅延もなかった。生検病理診断と最終病理診断は全て一致しており摘出標本は適切であった。全身状態不良のため開腹または開胸生検術が難しい症例では、転移巣からの生検でも正確な病理診断が可能と思われた。(著者抄録)

  • 双胎間輸血症候群供血児剖検例における腎組織学的検討 査読

    藤丸 季可, 菅 彩子, 中村 香絵, 岩見 裕子, 松村 寿子, 堀池 正樹, 原田 明佳, 田中 裕子, 中岡 達雄, 市場 博幸, 山田 浩

    (一社)日本小児腎臓病学会 日本小児腎臓病学会雑誌   26 ( 1 )   105 - 109   2013年04月( ISSN:0915-2245

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    腹膜透析を施行した双胎間輸血症候群供血児の剖検腎組織所見を検討した。症例は、一絨毛膜双胎の一児胎内死亡の生存児で、超低出生体重児の双胎間輸血症候群供血児であった。日齢2、無尿やカリウム上昇のため腹膜透析を開始。日齢10に腸管穿孔のため透析が困難となったが、日齢20頃より緩徐に尿量が増加した。日齢34、無尿状態は脱していたが、腹腔内出血を合併し永眠された。剖検では、尿細管腔数の減少、糸球体の密集、糸球体毛細血管内にフィブリン血栓の充満像を認めた。双胎間輸血症候群による胎児期の慢性的な組織低灌流に伴うrenal tubular dysgenesisが潜在的にあり、さらに一児胎内死亡時に吻合血管から本症例の血液が死亡児へ急性に血流移動(acute feto-fetal hemorrhage)したため、貧血や低血圧などの虚血性変化がさらに進行し、腎虚血から不可逆的腎不全に至った可能性が示唆された。(著者抄録)

  • 乳児胆汁うっ滞症に対する胆道洗浄の適応と効果 査読

    林 宏昭, 中村 哲郎, 東 孝, 大野 耕一, 中岡 達雄, 堀池 正樹, 銭谷 昌弘

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   49 ( 1 )   19 - 24   2013年02月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】乳児胆汁うっ滞症における胆道洗浄の適応および効果を後方視的に検討した。【対象と方法】2005年5月〜2009年4月までに乳児期に灰白色便および直接ビリルビン優位の黄疸を呈した乳児胆汁うっ滞症例9例を対象とし、その臨床的特徴と治療経過について検討した。【結果】9例中5例に対し全身麻酔下に胆道造影を行った。そのうち4例で総胆管末端の通過障害を認めたため、十二指腸へ造影剤が通過するまで生理食塩水による洗浄を繰り返し行った。洗浄を行った4例中2例はすみやかに改善し、残りの2例もステロイドパルスを追加し、改善した。1例は胆道造影を行ったが、通過障害を認めなかったため、胆道洗浄は行わなかった。この1例を含む残り5例は全て保存的加療により改善した。胆道洗浄を行った群と保存的療法にて改善した群を比較すると、胆道洗浄群は有意に絶食期間が長く、高カロリー輸液が施行されていた。また画像検査上有意に総胆管拡張や胆嚢内胆泥といった胆道系の異常所見を認めた。【結論】長期絶食および高カロリー輸液を行っている症例で、画像検査上、胆道系の異常所見を認めた場合、胆道洗浄の適応と考えられた。胆道洗浄のみで一定の効果が期待されるが、不十分な場合、ステロイドパルスとの併用が有効であった。(著者抄録)

  • Familial Currarino syndrome associated with Hirschsprung disease: two cases of a mother and daughter. 査読

    Ohno K, Nakamura T, Azuma T, Nakaoka T, Takama Y, Hayashi H, Horiike M, Zenitani M, Higashio A

    Journal of pediatric surgery   48 ( 1 )   233 - 8   2013年01月( ISSN:0022-3468

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.jpedsurg.2012.10.061

    PubMed

  • 小児がん患児における体外型カフ付き中心静脈カテーテルの合併症と長期成績 査読

    大野 耕一, 中村 哲郎, 東 孝, 中岡 達雄, 堀池 正樹, 銭谷 昌弘, 東尾 篤史

    (一社)日本小児血液・がん学会 日本小児血液・がん学会雑誌   49 ( 4 )   495 - 498   2012年12月( ISSN:2187-011X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】小児がん患者に化学療法を行うには中心静脈アクセスが必須である。そこで当科で体外型カフ付き中心静脈カテーテル(Hickman/Broviacカテーテル)を挿入した症例の問題点を後方視的に検討した。【方法】対象は329例(6.1±4.8歳:1ヵ月-23.5歳)。原疾患は白血病、脳腫瘍、神経芽腫、悪性リンパ腫、肝芽腫、腎芽腫、横紋筋肉腫などであった。【結果】手術時体重は21.3±13.8kg(4.1-69.8kg)、挿入方法は静脈切開法226、穿刺法98、タバコ縫合法3、同じ血管からの入換え2例であった。手術時間は38.8±23.0分、挿入難渋例(手術時間>平均+標準偏差、ガイドワイヤまたは造影剤を用いた症例、挿入血管を変更した症例)は70例であり、1例は静脈の合流・分岐異常のため中心静脈に留置できなかった。留置期間は193±126日、手術合併症は15例(感染、閉塞、術後出血、カフ露出、気胸、動脈穿刺、事故抜去)で認めた。51例は治療中に抜去せざるを得ず、その理由は感染、事故抜去、破損・液漏れ、閉塞、カフ露出、血栓であった。術前10日間の経過が検討できた324例のうち113例で有害事象grade 4の骨髄抑制を有していたが、grade 3以下の症例と合併症発生率に有意差はなかった。【結語】21.3%でカテーテル挿入に難渋したが99.7%で中心静脈に留置できた。また34.9%で術前に著しい骨髄抑制を認めたが安全に留置できた。治療中の抜去を防ぐには感染、閉塞、事故抜去に留意すべきである。(著者抄録)

  • 小児外科病棟における入院時緑膿菌保菌率の検討 査読

    大野 耕一, 中村 哲郎, 東 孝, 中岡 達雄, 堀池 正樹, 銭谷 昌弘, 東尾 篤史

    (株)日本小児医事出版社 小児科臨床   65 ( 5 )   997 - 1000   2012年05月( ISSN:0021-518X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】院内感染予防対策として入院時監視細菌培養検査を行い、緑膿菌(PA)の保菌率と保菌の危険因子を検討した。【方法】1,069例に対して入院後48時間以内に咽頭粘液と便の培養検査を行った。泌尿器疾患や感染巣を有する患児では尿や排液を追加した。PA保菌率、各検体からのPA検出率と入院歴との関連を検討した。【結果】検体数は2,246検体(咽頭粘液1,063検体、便1,024検体、その他159検体)、入院歴がない「入院なし群」407例、1年以前に入院歴があった「1年以前群」199例、1年以内に入院歴があった「1年以内群」463例であった。患児の6.5%が入院時にPAを保菌しており、3群の保菌率は3.7%、6.0%、9.3%であり、入院なし群と1年以内群の間に有意差を認めた。3群の咽頭粘液検出率は0.2%、2.5%、6.5%であり、すべての群間で有意差を認めた。3群の便検出率は2.3%、3.2%、2.0%であり、すべての群間で有意差を認めなかった。【結論】過去1年以内の入院歴はPA保菌の危険因子である。特に咽頭粘液のPA検出率が高く、飛沫感染を防ぐようprecautionを徹底することが肝要である。(著者抄録)

  • 当院における未熟奇形腫の治療経験 査読

    林 宏昭, 中村 哲郎, 東 孝, 大野 耕一, 中岡 達雄, 堀池 正樹, 銭谷 昌弘, 井上 健

    (一社)日本小児血液・がん学会 日本小児血液・がん学会雑誌   49 ( 1-2 )   46 - 50   2012年05月( ISSN:2187-011X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    当院で経験した未熟奇形腫7例の治療経過、予後を後方視的に検討した。全例primary operationを行い、外科的全摘出可能であった3例は再発を認めていない。全摘出不能であった4例のうち、術前腹膜播種がみられた2例に術後化学療法を行い、うち1例にgrowing teratoma syndromeを認めた。また局所残存が疑われたが術後化学療法を施行しなかった2例のうち、Norris Grade IIIであった1例に悪性局所再発を認めた。未熟奇形腫の生命予後は良好であるが、Grade IIIで腫瘍遺残群に対しては化学療法等の追加治療を行う必要があると考えられた。(著者抄録)

  • 小児における皮下埋め込み型中心静脈カテーテルポートの長期成績 査読

    山田 弘人, 大野 耕一, 中村 哲郎, 東 孝, 中岡 達雄

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   48 ( 1 )   38 - 42   2012年02月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】長期の静脈栄養や化学療法が必要な患児に皮下埋め込み型中心静脈カテーテルポート(CVAP)が使用され、その挿入術の成否とカテーテル管理は原疾患の治療成績をも左右する。そこで当科で挿入したCVAPを検討した。【方法】83人延べ98例の患児にCVAPを留置した。手術時年齢は4.9±4.2歳(4ヵ月〜18.9歳)、悪性疾患は74例であった。手術時体重、挿入方法、手術時間、挿入難渋例(手術時間が平均+標準偏差以上、ガイドワイヤまたは造影剤を用いた症例、挿入血管を変更した症例)、留置期間、手術合併症、晩期合併症、抜去理由を検討した。悪性疾患では術前の化学療法と骨髄抑制の影響を検討し、良性疾患と比較した。【結果】体重は16.8±10.2kg(94例:6.1〜57.4kg)、挿入方法は静脈切開法87、同じ血管からの入換え5、鎖骨下静脈穿刺法5、タバコ縫合法1例であった。手術時間は50±18分(81例)、23例で挿入に難渋し、2例で中心静脈に留置できなかった。留置期間は594±432日(86例)、手術合併症(6例)は術後出血、静脈炎、創部裂傷、ポート感染、液漏れ、晩期合併症(18例)は閉塞、カテーテル感染、液漏れ、静脈炎、皮膚壊死であった。抜去理由(83例)は治療完了41、死亡19、入換え5、閉塞9、感染3、液漏れ2、皮膚壊死2、ポート破損1、不明1例であった。悪性疾患のうち、術前の経過が検討できた66例では20例で術前10日以内に化学療法が行われ、28例は有害事象grade 4の骨髄抑制を有していた。しかし手術合併症発生率、留置期間は良性疾患と有意差を認めなかった。【結論】23.5%で挿入に難渋したが98.0%でカテーテルを中心静脈に留置できた。乳児や骨髄抑制を伴う患児でも比較的安全に挿入でき、手術成績は概ね良好であった。予定外の抜去を防ぐには留置中の閉塞、ポートおよびカテーテル感染に留意すべきである。(著者抄録)

  • 重症心身障害者の側彎が誘因となり発症したイレウスの1例 査読

    銭谷 昌弘, 中岡 達雄, 中村 哲郎, 堀池 正樹, 林 宏昭, 大野 耕一, 東 孝

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   48 ( 1 )   72 - 75   2012年02月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は20歳、男性。先天性サイトメガロウイルス感染症による脳性麻痺患者である。19歳時よりイレウスを発症し、保存的に軽快していたが、3度目の発症に際して当科紹介となった。腹部CT検査、消化管造影検査にて回腸末端での通過障害を認めたため手術を施行した。開腹すると回盲弁より約5cm口側の回腸が、側彎のために突出した腸骨稜により圧迫を受け、瘢痕狭窄を生じていた。回盲部を後腹膜より剥離し授動して、狭窄部の形成を行った。手術後1年が経過し、現在まで再発を認めていない。(著者抄録)

  • 女性漏斗胸患者における左右乳腺体積の検討 査読

    中岡 達雄, 植村 貞繁, 吉田 達之, 谷本 光隆, 三宅 啓

    克誠堂出版(株) 形成外科   54 ( 4 )   411 - 414   2011年04月( ISSN:0021-5228

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    2004年11月〜2009年3月に手術を行った女性漏斗胸患者23例(漏斗胸群、14〜32歳・平均19.4±6.3歳)を対象に、外見上の乳房の左右差が、胸郭の非対称性による見かけのものなのか、実際に乳腺の体積に左右差があるのかについて、手術前の胸部CTを用い検証した。また、他疾患に対して胸部CTを行った同年代女性14名(平均21.4±3.8歳)を正常対照群とした。左右乳腺体積の計測方法は、手術前に施行された胸部CT像から乳腺組織の面積を抽出し、これを乳腺組織の含まれる全てにスライスで積算し体積とした。また、CT像の中から胸骨の傾きが最大となっているスライスを選び、左右胸郭の最低面と胸郭の成す角度を計測し、この角度が30°以上の症例を高度非対称群とした。各例の乳腺体積の左右比を算定し、正常群と漏斗胸群、正常群と高度非対称漏斗胸群(胸骨捻れ角30°以上)で比較検討した。漏斗胸患者の乳腺左右体積比の平均値は0.90±0.19、正常対照群は1.02±0.15で、漏斗胸群は右乳腺体積が小さい傾向があったが、両群間に有意差はなかった。しかし、胸骨捻れ角30°以上の高度非対称群12例と正常群との比較では、乳腺左右体積比は0.86±0.13で正常群との間に有意差を認めた。正常群における乳腺左右体積比の±2SDは0.72〜1.32で、漏斗胸患者23例中18例(78%)はこの範囲内であった。

  • Umbilical center insertion method for initial trocar placement in pediatric laparoscopic surgery. 査読

    Nakaoka T, Uemura S, Yoshida T, Tanimoto T, Shiokawa C, Harumoto K

    Osaka city medical journal   56 ( 2 )   21 - 6   2010年12月( ISSN:0030-6096

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    PubMed

  • 小児腹腔鏡手術における初期套管針留置のための臍帯中心挿入法(Umbilical Center Insertion Method for Initial Trocar Placement in Pediatric Laparoscopic Surgery) 査読

    Nakaoka Tatsuo, Uemura Sadashige, Yoshida Tatsuyuki, Tanimoto Terutaka, Shiokawa Chizuka, Harumoto Ken

    大阪市医学会 Osaka City Medical Journal   56 ( 2 )   21 - 26   2010年12月( ISSN:0030-6096

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    手術時間を短縮し、外観を改善するために、臍帯中心切開を利用した新しい初期套管針挿入法について検討した。2ヶ所の小児外科で、431名の小児患者に臍帯中心挿入法(UCM)を適用した。臍帯の病変(臍帯ヘルニアを除く)または広範な腸管癒着が疑われる患者は除外した。UCMに伴う合併症はなかった。ほぼ全ての患者で、1分以内に気腹が行われた。創傷は完全に臍輪内部に含まれ、外観的にも極めて満足のいくものであった。UCMは安全かつ容易な手技であり、小児腹腔鏡手術に許容される初期套管針挿入法であると考えられた。

  • 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術時の内鼠径輪所見よりみた対側発生リスクの検討 査読

    中岡 達雄, 植村 貞繁, 矢野 常広, 谷本 光隆, 三宅 啓

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   46 ( 6 )   920 - 924   2010年10月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】近年腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術が普及するに伴い、対側鞘状突起開存(PPV)に対する予防的手術が行われるようになってきた。われわれはPPVの形態を観察し、患側の所見と比較検討することによって、対側発生の可能性について考察した。【対象と方法】当科で小児鼠径ヘルニアに対しLPEC手術を行った243例を対象とした。PPVおよび患側ヘルニア門の術中所見と術後経過を診療記録より後方視的に検討した。【結果】術前に右側と診断された129例中64例(50%)、左と診断された99例中48例(49%)に、術中所見で対側PPVを認めた。患側ヘルニア門の平均径は8.9±3.2mm、対側ヘルニア門の平均径は4.8±2.9mmであった。対側PPV陰性群と陽性群では、男女比、平均年齢、原発の左右に有意差はなかった。対側発生を1例認めた。また、患側では258側中249側(96.5%)は内鼠径輪の径が4mm以上であり、この大きさをヘルニア発生のhigh riskとすると、対側では陽性112例中70例(63%)が4mm以上であり、これは術前診断が片側であった228例中の31%であった。【考察】腹腔鏡所見では術前診断が片側であった症例の約半数に腹膜鞘状突起の開存を認めた。対側開存症例と非開存症例との間には性別、原発側、年齢での有意差はなく、これらの条件では対側PPVの有無を予測することはできなかった。一方で、対側PPV開存症例のうち、その直径が4mm以上のものは、術前診断片側症例の31%であった。これらの症例は、手術時点ですでにヘルニア脱出が生じていても不自然ではない大きさの対側鞘状突起開存を有しており、対側発生のhigh riskと考えられた。対側発生を生じた1例はcomplete veilのPPVであり、腹腔鏡下での対側観察は慎重に行う必要がある。(著者抄録)

  • Overgrowth of costal cartilage is not the etiology of pectus excavatum. 査読

    Nakaoka T, Uemura S, Yoshida T, Tanimoto T, Miyake H

    Journal of pediatric surgery   45 ( 10 )   2015 - 8   2010年10月( ISSN:0022-3468

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.jpedsurg.2010.04.018

    PubMed

  • 超低出生体重児の胎便関連性腸閉塞症に対する超音波ガイド下注腸療法の試み 査読

    中岡 達雄, 植村 貞繁, 吉田 達之, 谷本 光隆, 三宅 啓

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   46 ( 1 )   53 - 56   2010年02月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    超低出生体重児の胎便関連性腸閉塞症に対し、超音波ガイド下に注腸療法を試みた。患児を保育器より出すことなくdrip injectionで注入を行い、超音波で造影剤が閉塞部に到達したのを確認した。レントゲン写真でも同様の所見であり、処置後約6時間で腸閉塞は解除された。超音波ガイド下注腸療法は簡便で、注入した薬液の進行状況、および腹腔内の状態をリアルタイムで知ることができ、特に超低出生体重児の胎便関連性腸閉塞症の治療に有用である。(著者抄録)

  • Does overgrowth of costal cartilage cause pectus excavatum? A study on the lengths of ribs and costal cartilages in asymmetric patients 査読

    Nakaoka Tatsuo, Uemura Sadashige, Yano Tsunehiro, Nakagawa Yoshikiyo, Tanimoto Terutaka, Suehiro Shigefumi

    JOURNAL OF PEDIATRIC SURGERY   44 ( 7 )   1333 - 1336   2009年07月( ISSN:0022-3468

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.jpedsurg.2008.09.023

    PubMed

  • 稀な先天性頸部皮膚病変である正中頸裂congenital midline cervical cleftの2例 査読

    高間 勇一, 奥山 宏臣, 窪田 昭男, 中岡 達雄, 東 孝, 中村 哲郎, 福澤 正洋

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   45 ( 4 )   744 - 748   2009年06月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    正中頸裂(congenital midline cervical cleft)は、頸部正中に正常皮膚組織が欠損してできた非常に稀な先天性頸部皮膚病変である。本症の2例を経験したので、文献考察を加えて報告する。症例1は生下時より病変を認めており経過観察の後、1歳時に病変部切除縫合を施行した。術後に切除部の拘縮を認めたため再手術を施行した。症例2は生下時より病変を認め本症の診断で日齢7に病変切除・Z形成術を施行した。本症は特徴的な外観から診断可能であり、治療は病変部の完全切除とZ形成術など拘縮予防術を行う事が肝要である。(著者抄録)

  • Successful reconstruction of communicating bronchopulmonary foregut malformation associated with laryngotracheoesophageal cleft. 査読

    Nakaoka T, Uemura S, Yano T, Tanimoto T, Miyake H, Kasahara S, Sano S

    Journal of pediatric surgery   44 ( 5 )   e29 - 32   2009年05月( ISSN:0022-3468

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.jpedsurg.2009.02.061

    PubMed

  • Iopamidol enema treatment for meconium obstruction of prematurity in extremely low-birth weight infants: a safe and effective method. 査読

    Nakaoka T, Shiokawa C, Nishihara M, Tamai H, Funato M, Uemura S

    Pediatric surgery international   25 ( 3 )   273 - 6   2009年03月( ISSN:0179-0358

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1007/s00383-009-2334-x

    PubMed

  • 漏斗胸に合併した肺嚢胞性疾患の2例 査読

    中川 賀清, 植村 貞繁, 矢野 常広, 中岡 達雄, 谷本 光隆, 今井 茂樹, 渡部 茂

    日本小児放射線学会 日本小児放射線学会雑誌   25 ( 1 )   54 - 59   2009年02月( ISSN:0918-8487

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    漏斗胸に合併した肺嚢胞性疾患の2例を経験した。症例1(7歳女児)。幼少時から前胸部の陥凹を認め、徐々に進行した。呼吸器症状はなく、胸の陥凹以外に症状はなかった。Nuss法による漏斗胸手術目的で受診した。画像診断としてcongenital cystic adenomatoid malformationと考えた。胸腔鏡補助下に右肺上葉切除を行った。末梢肺の病理所見により肺葉性肺気腫と診断した。Nuss術後1年が経過し、運動、呼吸機能に問題はなく、術前より活発になり身長と体重の増加も著しい。症例2(6歳女児)。2歳頃から前胸部の陥凹を認め、徐々に進行した。漏斗胸の手術目的で受診した。画像所見で、右下葉の肺葉内肺分画症と診断した。胸腔鏡補助下に右肺下葉切除術を行った。現在Nuss術後半年が経過しているが、運動、呼吸機能に問題はない。

  • 反復性臍炎を発症した好中球減少症の幼児例 1症例報告(An Infant Case of Neutropenia Developed Repeated Omphalitis: A Case Report) 査読

    Nakagawa Yoshikiyo, Uemura Sadashige, Nakaoka Tatsuo, Yano Tsunehiro, Tanimoto Terutaka, Miyake Hiromu, Teranishi Hideto, Kawasaki Kozo, Ouchi Kazunobu

    川崎医学会 川崎医学会誌   34 ( 4 )   279 - 283   2008年12月( ISSN:0386-5924

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は反復性臍炎のため受診した7ヵ月の女児で、その臍は赤く腫張して硬化し、若干の膿を排出していた。超音波検査では炎症に起因する皮下腫瘤を認め、中等度の発熱と食欲消失が見られたため入院となった。血液検査で好中球減少を認め、その翌日には数値が0に達し、抗好中球抗体が検出されたため幼児性自己免疫性好中球減少症(ANI)と診断した。その後、炎症は緩解して患児は退院したが、3ヵ月後に臍炎が再発したため、尿膜管遺残と診断し尿膜管を切除した。術後経過は順調で、好中球数も年齢と共に徐々に増加している。ANIは比較的稀な疾患で患者は炎症性疾患を反復するが、それは特に深刻ではない。反復性炎症が見られる幼児には免疫不全性疾患を考慮する必要がある。

  • 開胸手術の既往例に対するNuss手術の安全性と問題点 査読

    中岡 達雄, 植村 貞繁, 矢野 常広, 中川 賀清, 谷本 光隆, 三宅 啓

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   44 ( 6 )   793 - 797   2008年10月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】開胸、開心手術の既往を持つ漏斗胸患者に対する、Nuss手術の安全性を検討する。【方法】2004年11月から2007年12月までに行ったNuss手術症例253例のうち、開胸あるいは開心手術の既往のある患者27例を対象とした。胸膜癒着の程度、癒着剥離術の方法、術中、術後の出血量と合併症につき後方視的に検討を加えた。【結果】Nuss手術を安全に行うために胸腔内の癒着剥離が必要となったのは、27例中10例であり、漏斗胸手術後のほうが、他の手術例と比べて癒着が高度な症例が多かった。癒着剥離を鉗子による鈍的剥離や電気メスで行った4例では術中出血が多く、術後もドレーンからの出血が遷延した。剥離にリガシュアを用いた6例では剥離部からの出血はほとんどみられなかったが、1例で術後1日目に気胸を発症し、胸腔ドレーンの挿入が必要となった。開胸手術に移行した症例はなく、輸血を必要とした症例もなかった。術後胸膜炎は3例にみられた。開心術後の縦隔剥離は合併症なく行えた。【結論】漏斗胸手術後の患者のほうがその他の開胸、開心手術後の患者と比べて癒着が高度な症例が多かった。比較的高度の癒着があってもNuss手術は施行可能であった。胸腔内の肺組織と胸壁との剥離後には出血や気胸などの術後合併症が多く、その対策としてリガシュアが有用であった。(著者抄録)

  • 【神経芽腫マススクリーニングの今後】マススクリーニング後遠隔期に切除された神経節芽腫 査読

    中岡 達雄, 植村 貞繁, 矢野 常広, 中川 賀清, 谷本 光隆, 三宅 啓, 中村 哲郎, 東 孝

    (株)東京医学社 小児外科   40 ( 9 )   1027 - 1030   2008年09月( ISSN:0385-6313

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例1は3歳6ヵ月男児で、7ヵ月時の神経芽腫マススクリーニング(MS)にてVMA・HVA高値を指摘されたが画像上腫瘍は認めず、経過観察となったが、3歳6ヵ月時に風邪症状を主訴に近医を受診、腹部に腫瘤が触知されたため精査加療目的で紹介来院となった。画像所見上左腰部後腹膜に認めた6cm大の固形塊の切除を行い、病理組織学的所見ではmature ganglioneuromに一部ganglioneuroma intermixedが混在する嶋田分類favorable histologyであった。リンパ節転移は認めずINSS stage 1と診断され術後化学療法は施行せず、術後11年目の現在再発は認めていない。症例2は8歳女児で、MSにてVMA・HVAの軽度高値を指摘されたが画像診断を含む精査では腫瘍は発見できず、18ヵ月時より経過観察されていなかった。8歳時の他疾患での腹部CTにて腹腔内に腫瘤を認めたため紹介入院となり、画像上右腎下極に接して4×5cm大の表面平滑で楕円形の後腹膜腫瘤を認め切除術を施行した。術中所見では腫瘍は腰部交感神経幹より派生しており、病理組織学的所見では大部分はmature ganglioneuromaで、嶋田分類unfavorable,INSS stage 1と診断された。MS時に他院で施行された腹部CTと骨シンチグラムを再検討したところ、同部位に1cm大の腫瘤影を認め、乳児期より腫瘤が存在したと考えられた。術後化学療法は施行せず、3年経過の現在再発の徴候は認めていない。

  • 造影CT冠状断再構築像により診断した胆管非拡張型の膵・胆管合流異常症の1幼児例 査読

    中岡 達雄, 中川 賀清, 矢野 常広, 植村 貞繁, 渡部 茂, 今井 茂樹

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   44 ( 5 )   700 - 703   2008年08月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    1歳10ヵ月女児の急性膵炎に対し、造影CT冠状断再構築像を用いて総胆管非拡張型膵・胆管合流異常症(PBMJ)と診断しえた症例を経験した。PBMJの診断に通常用いられる内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)は、小児では全身麻酔が必要であるうえ被曝量も多く、膵炎の増悪の可能性が危惧される。近年よく行われている磁気共鳴画像診断装置を用いた胆道造影(MRCP)は、被曝がなく冠状断、矢状断など任意のsliceで断層像を得られるが、撮影時間が長く解像力に劣るため、息止めのできない乳幼児では、拡張総胆管の描出は可能でも、合流異常そのものの描出は困難である場合が多い。Multi-detector CTは短時間で高解像の画像を得ることができ、さらに冠状断、矢状断の再構築も可能となっている。今後、乳児や若年幼児のPBMJの診断に対して、造影CTは試みる価値があると思われた。(著者抄録)

  • 皮膚組織の迷入を伴った小児顎下型ガマ腫の1例 査読

    中川 賀清, 植村 貞繁, 矢野 常広, 中岡 達雄

    日本臨床外科学会 日本臨床外科学会雑誌   69 ( 8 )   1882 - 1886   2008年08月( ISSN:1345-2843

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例は1歳,男児.主訴は生後6ヵ月頃から徐々に増大する左顎下部腫瘤であった.初診時には3cm大の弾性軟の腫瘤であり,熱感や圧痛は認めなかった.超音波検査で嚢胞性に描出され,内部に高輝度の部分を認めた.口腔内に所見はなかった.ガマ腫と診断し,硬化療法を試みた.嚢胞を穿刺したが,内容物は透明,ゼリー状で非常に粘調であったため,吸引出来なかった.そのため小切開を加えて内容を排出させ,内腔にピシバニール(OK-432)を注入した.術後2ヵ月目に腫瘤は再発した.ピシバニールでは効果がないと判断し,頸部より嚢胞切除を施行した.腫瘤は手術所見でも顎下型ガマ腫と思われた.切除標本では嚢胞壁は薄い被膜状であり,ほとんどの部分で上皮は存在していなかったが,一部に重層扁平上皮と角化物,毛包を認め,病理診断はdermoid cystであった.本症例は,重層扁平上皮が迷入したガマ腫と考えられた.(著者抄録)

  • 胎児超音波検査における胃泡の異常からみた出生前診断と新生児外科疾患 査読

    吉田 達之, 中平 公士, 中村 哲郎, 東 孝, 大野 耕一, 林 宏昭, 松尾 重樹, 中本 収, 春本 研, 中岡 達雄

    (株)東京医学社 周産期医学   38 ( 3 )   363 - 368   2008年03月( ISSN:0386-9881

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    1994年12月〜2006年12月に胎児超音波検査で胃泡異常及び関連する嚢胞像が指摘され、出生後手術した新生児外科症例92例を対象に異常の種類、大きさの異常、位置の異常に分け、出生前診断について検討した。胃泡の大きさの異常は45例、位置の異常は38例にみられた。胃泡の大きさの異常に関連する新生児外科疾患の出生前診断例をまとめたところ、羊水過多と蠕動運動の有無が診断の上で極めて重要であった。位置の異常に関連する新生児外科疾患の出生前診断例では肺の描出程度、縦隔偏位の程度が重要でありこれらの所見を考慮しピットフォール症例も念頭におくことで出生前診断はより正確になると思われた。また先天性横隔膜ヘルニアや先天性食道閉鎖症などの出生前診断には胎児MRI検査も併用することで診断精度を高めることが期待できると思われた。

  • Evaluation of the Nuss procedure using pre- and postoperative computed tomographic index. 査読

    Nakagawa Y, Uemura S, Nakaoka T, Yano T, Tanaka N

    Journal of pediatric surgery   43 ( 3 )   518 - 21   2008年03月( ISSN:0022-3468

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.jpedsurg.2007.10.033

    PubMed

  • 【小児慢性便秘症の病態・診断・治療】慢性便秘症に対する99mTc-フチン酸を用いた消化管運動機能評価法とその応用 査読

    矢野 常広, 植村 貞繁, 中岡 達雄, 中川 賀清, 谷本 光隆, 曽根 照喜

    (株)東京医学社 小児外科   40 ( 2 )   179 - 184   2008年02月( ISSN:0385-6313

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    小児慢性便秘症17例を対象に99mTc-フチン酸による消化管運動機能評価(SCTS)を行った。SCTSの結果、正常が2例、slow colonic transitが11例、functional fecal retentionが4例であり、慢性便秘症例の多くが結腸の運動に問題があることを示された。

  • 2歳幼児におけるシスチン結石の1症例(A Case of Cystine Calculus in a two-year-old Infant) 査読

    Nakagawa Yoshikiyo, Nakaoka Tatsuo, Yano Tsunehiro, Uemura Sadashige

    川崎医学会 川崎医学会誌   33 ( 3 )   243 - 247   2007年12月( ISSN:0386-5924

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    2歳男児が初期症状として腹痛および嘔吐を呈した。外来受診後、画像診断により水腎症を伴う右骨盤の巨大尿路結石が認められた。尿検査の結果からシスチン尿によるシスチン結石が疑われた。体外衝撃波砕石術(ESWL)による結石の破砕または内視鏡による除去の可能性を考慮したが、結石の特性および患者の腎機能障害のため腎盂切石術を選択した。小児における尿路結石の治療選択は、結石の大きさまたは成分および患者の状態に依存すると考えられる。小児患者における尿路結石治療に対するESWLの使用可能性は認められているが、障害や合併症を呈する症例においては腎盂切石術の選択をためらうべきではないと思われた。

  • 片腎機能を温存しえたFRNの1例 査読

    中川 賀清, 植村 貞繁, 矢野 常広, 中岡 達雄, 森田 康子

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   43 ( 7 )   933 - 937   2007年12月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    患児は1歳0ヵ月の男児。腹部膨満に気づき、近医で腫瘤を指摘された。左腹部に15cm大の巨大な腫瘤を認めた。表面は平滑で硬かった。画像診断では、左腎から発生した巨大な腫瘤が認められ、右腎下極にも類似した性状の4cm大の腫瘤が存在した。開腹腫瘍生検を行い、腎芽腫と診断したが、左はfetal rhabdomyomatous nephroblastoma(FRN)であった。右腫瘍の縮小による右腎機能温存を目的にactinomycin D,vincristineによる化学療法を施行した。1ヵ月後には、右腫瘍は縮小していたが、左は約2倍に増大していた。化学療法を4クールで中止し、左腎摘出と右腎腫瘍の核出術を行った。病理診断は両側腫瘍ともFRNであった。術後は順調に回復し、1年経過した現在、再発は認められていない。FRNは腎芽腫の特殊型で、横紋筋成分を多く有する腫瘍である。化学療法、放射線療法は効果が少なく、両側発生例では腎機能を含め、臨床的予後は良くない。今回の症例は本腫瘍に対する治療方針を考える上で、示唆に富むものであった。(著者抄録)

  • Retroperitoneal ganglioneuroblastoma resected 8 years after mass screening: a case report. 査読

    Nakaoka T, Uemura S, Nakagawa Y, Yano T, Oda M

    Journal of pediatric surgery   42 ( 11 )   E29 - 32   2007年11月( ISSN:0022-3468

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.jpedsurg.2007.09.004

    PubMed

  • Nuss手術後バー留置中に発症した自然気胸の検討 査読

    中川 賀清, 植村 貞繁, 矢野 常広, 中岡 達雄

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   43 ( 5 )   683 - 687   2007年08月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】漏斗胸と自然気胸は、身長が高く痩せ型という共通した体型に多い疾患である。われわれはNuss手術後の自然気胸を6例経験したが、その頻度は比較的高く、Nuss手術の影響もあるのではないかと考えた。これらの自然気胸の特徴について調べた。【対象と方法】2006年12月までにNuss手術を施行した漏斗胸症例382例のうち、約2年間のバー留置期間中に自然気胸を発症した6例の特徴およびNuss手術との関連について検討を行った。【結果】6例のうち5例は10代男性で、1例は20代女性であった。6例の身長は170.2±4.9cm、体重は47.6±3.2kgであり、BMIは16.5±1.6で、すべて長身痩せ型であった。男性の1例はマルファン症候群を合併していた。Nuss手術前のCT indexは7.2±3.1で、全382例の5.2±2.8と比べ大きかった。また胸部レントゲン画像から計測したvertebral index,frontosagittal indexの術前値および変化率は、気胸を起こさなかった同年代の患者群に比べて、有意差がそれぞれ認められた。自然気胸を起こした群は陥凹が高度で、手術の改善度も大きかった。気胸発症までの期間は術後1から22ヵ月で、右気胸が3例、同時性両側例が2例、異時性両側例が1例であった。5例に胸腔鏡下肺ブラ切除を行い、1例は様子観察で軽快した。非手術症例も含め、すべて肺ブラの破裂によって生じたと考えられたが、肺ブラは漏斗胸術前のCT検査で指摘されていなかった。【結論】Nuss手術後のバー留置期間中の自然気胸は、全漏斗胸症例の1.6%に発生した。自然気胸の原因は肺ブラであるが、胸腔を拡げるNuss手術が肺ブラへ影響を及ぼした可能性が考えられた。自然気胸はNuss手術後に起こりうる合併症として留意すべきと考えられた。(著者抄録)

  • 漏斗胸に対するNuss手術後感染例の検討 査読

    中岡 達雄, 植村 貞繁, 矢野 常広, 中川 賀清, 小池 能宣

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   43 ( 4 )   609 - 614   2007年06月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    【目的】漏斗胸に対するNuss手術後のsurgical site infection(以下SSI)は、バーのflippingと並ぶ重要な術後合併症で、2〜5%に発生するといわれている。これまでの経験症例から術後感染例の臨床像と経過について検討し、術後感染の管理法について考察した。【対象】1998年8月〜2006年5月までに施行したNuss手術のうち、発熱、胸水貯留、創部の炎症を呈しSSIと診断された症例を検討した。使用した金属バーはチタン製が20例で他はすべてステンレス製であった。【結果】対象期間内の手術総数は323例であり、SSIと診断された症例は7例(2.2%)であった。このうち3例(0.9%)は創部より排膿を認め、原因菌が同定された。残りの4例は創の炎症所見はなく胸水貯留と発熱が主訴であり、CRPの上昇が認められたが胸水および血中からは細菌は分離されなかった。これらの4例も抗生剤による保存的治療を行ったが効果は著明でなく、治癒には長期間を要した。7例全例が保存的治療によりバーを抜去することなく治癒した。【考察】Nuss手術後にみられるSSIの頻度は比較的低く、創部感染と胸膜炎の2種類があることがわかった。Nuss手術では金属の異物(バー)を胸腔内に留置するため、感染をおこすとバーを抜去せずに治癒させることは困難と思われていたが、漏斗胸の患者は全身状態のよい症例が多く、感染状態が遷延しても保存的に治癒する可能性が高いと思われた。しかし軽快後も再燃の危険があるため、抗生剤内服を長期間続ける必要がある。また、金属アレルギーは報告が少なく発生頻度は極めて低いと思われた。(著者抄録)

  • 極低出生体重児の腸穿孔術後に広範囲の結腸、直腸閉鎖をきたした1例 査読

    中川 賀清, 植村 貞繁, 中岡 達雄, 東田 正陽, 岩村 喜信, 青山 興司

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   42 ( 6 )   651 - 655   2006年10月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    新生児期の結腸穿孔術後に、後天性の広範囲の左結腸、直腸閉鎖を示した1例を経験した。患者は28週1,105gで出生。15生日に胎便性腸閉塞と診断し、希釈したガストログラフィンにて注腸検査を行った。この際、造影剤が腹腔内へ漏出したため、緊急手術を行った。上行結腸に3ヶ所の小穿孔部を認め、これらを閉鎖し回腸に人工肛門を造設した。半年後、左横行結腸で内腔が途絶し、直腸も肛門から1cmで完全に閉鎖していた。1歳11ヵ月時に根治手術を行ったが、S状結腸の一部を残し、左横行結腸から肛門部まで細小化していた。病変部腸管を切除、右横行結腸を肛門部まで引き下ろし、吻合した。病理は、細小腸管は完全閉鎖し、粘膜が脱落していたが、筋層は保たれていた。S状結腸の一部は正常構造であった。後天性の腸管狭窄、閉鎖はまれな疾患であるが、血流の変化が成因にかかわっている。自験例では広範囲に粘膜が脱落し、閉鎖が生じたものと考えられた。(著者抄録)

  • 顔面神経を温存し切除した耳下腺部infantile fibromatosisの1例 査読

    中川 賀清, 植村 貞繁, 中岡 達雄, 秋定 健, 濱崎 周次

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   42 ( 5 )   601 - 605   2006年08月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    顔面神経を温存し切除することができた耳下腺部乳幼児線維腫症(infantile fibromatosis)の1例を経験した.症例は10ヵ月男児で,4ヵ月前から急速に増大する左頬部の腫脹を認めた.画像診断では,一部嚢胞性部分を混じる最大径約8cmの充実性腫瘍であり,左耳下腺部から咽頭部まで進展していた.画像検査や生検でも診断がつかず,手術を施行した.腫瘍は耳下腺深葉部に存在し,顔面神経は腫瘍に貼りつくように圧排されていた.顔面神経各枝を剥離温存した後に,腫瘍を全摘した.腫瘍は病理診断にて,infantile fibromatosis(diffuse-type)と診断された.術後は一時的な顔面神経麻痺を認めたが,現在は改善している.Infantile fibromatosisは,乳幼児に発生する間葉系腫瘍であり,周囲への浸潤傾向があり手術後も再発しやすい.耳下腺部に発生したinfantile fibromatosisは極めてまれで,術前診断は困難である.手術部位が顔面神経に近く,これを損傷すれば,永久的で重篤な麻痺症状を呈することから,神経を温存することが重要であると考えられた(著者抄録)

  • 食道閉鎖症に合併した先天性食道狭窄症の2例 低圧バルンによる食道狭窄部描出法 査読

    中川 賀清, 植村 貞繁, 中岡 達雄

    日本小児放射線学会 日本小児放射線学会雑誌   22 ( 2 )   129 - 132   2006年07月( ISSN:0918-8487

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    症例1は1歳3ヵ月男児,症例2は1歳1ヵ月男児で,2例とも食道閉鎖症の診断で根治術を受けていた.術後経過は順調であったが,嘔吐や食物塊の通過障害がみられるようになった.前医で造影を行ったが,吻合部より下部の食道狭窄が疑われたものの断定困難であった.しかし,ゴム手袋の指部分を栄養チューブの先端に結び付けた装置を作成して造影剤を注入したところ,食道下部に狭窄部を認めた.手術時には気管軟骨の迷入がみられ,気管原基迷入型の食道狭窄症と診断した.この方法は簡便,かつ安価で,診断,及び手術術式の選択に有用だと思われた

  • Preliminary study on the effects of bar placement on the thorax after the Nuss procedure for pectus excavatum using bone scintigraphy 査読

    Ohno K., Morotomi Y., Harumoto K., Ueda M., Nakahira M., Nakamura T., Azuma T., Moriuchi T., Yoshida T., Shiokawa C., Nakaoka T.

    EUROPEAN JOURNAL OF PEDIATRIC SURGERY   16 ( 3 )   155 - 159   2006年06月( ISSN:0939-7248

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1055/s-2006-924309

  • 後腹膜鏡補助下に手術を行った下大静脈後尿管の1小児例 査読

    中川 賀清, 植村 貞繁, 中岡 達雄

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   42 ( 4 )   516 - 519   2006年06月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    患児は11歳男児,約1年前から右腰部痛を自覚していた.近医にて右水腎症を指摘され,当科にて造影CTおよび逆行性腎盂尿管造影検査から下大静脈後尿管と診断した.腎盂と上部尿管が拡張し,腰痛があったため手術適応と判断した.手術は後腹膜鏡補助下に行った.鏡視下に後腹膜を剥離し尿管を露出させた後,下大静脈との交差部より近位で拡張した尿管を切断し,その遠位側断端を下大静脈の後方をまわり前方へ移動させた.そして両断端を体外へ引き出し吻合した.術後経過は良好であり,1年後の超音波検査で腎盂尿管の拡張は消失していた.創もポート孔のみで非常に小さく,美容的にも優れていた.近年,泌尿器科領域の手術にも腹腔鏡がよく用いられている.鏡視下手術は低侵襲であり,小児泌尿器疾患に対してもよい適応であると思われた(著者抄録)

  • 進行横紋筋肉腫に対するイリノテカンの長期投与法の検討 査読

    中村 哲郎, 東 孝, 大野 耕一, 大杉 夕子, 石井 武文, 迫 正廣, 吉田 達之, 森内 隆喜, 中平 公士, 井上 健, 小林 康次, 野間 治義, 中岡 達雄

    大阪市勤務医師会 大阪市勤務医師会研究年報   ( 33 )   69 - 73   2006年03月( ISSN:0289-4521

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    1歳9ヵ月女児.腹部膨満を主訴に受診した.下腹部に巨大な腫瘍が認められ,腹壁の静脈の怒張と腹水の貯留を認めた.JRSG(日本横紋筋肉腫研究グループ)の高リスク群の治療計画に沿ってVAC療法から開始した.治療開始8ヵ月後にTEPA,LPAMを用いたダブルコンディショニングによる大量化学療法(自家骨髄移植併用)を行った.治療開始10ヵ月後に試験開腹を行ったところ,画像上は明らかな腫瘤は指摘されなかったが,組織学的にも腹膜播種を認めた.イリノテカン180mg/m2を週1回,合計5週間投与し,その後,月1回の投与として約1年間治療を行った.治療開始後2年2ヵ月後に2回目の試験開腹を行ったところ,1回目の開腹と同様の所見が認められた.イリノテカンによる治療を更に1年間継続して行った.現在画像診断上再発の徴候はなく,外来経過観察中である

  • 胎児超音波検査で発見された先天性肝芽腫の1例 査読

    春本 研, 中平 公士, 中村 哲郎, 東 孝, 森内 隆喜, 吉田 達之, 小林 庸次, 井上 健, 中岡 達雄

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   42 ( 1 )   45 - 50   2006年02月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    出生前に肝内腫瘤像を指摘され出生後の精査にて肝芽腫(poorly differentiated hepatoblastoma)と診断された症例を経験した.日本小児肝がんスタディグループ(JPLT)による病期分類上stage III Aの進行例で,術前JPLT91B2の化学療法を施行.拡大肝右葉切除術にて腫瘍を完全摘出した後,進行型神経芽細胞腫の治療プロトコール(new A1)を併用し,現在再発,転移なく経過している.先天性肝芽腫は報告が少なく本邦においては22例のみで,出生前診断例は本症例が最初の報告例であった.その治療方針について文献的考察を加えて報告する(著者抄録)

  • 【再手術,再々手術 病態の再発要因と再手術時の工夫】漏斗胸術後再発に対するNuss法による再手術 査読

    植村 貞繁, 中岡 達雄, 中川 賀清, 谷 守通, 小池 能宣

    (株)東京医学社 小児外科   37 ( 9 )   1028 - 1033   2005年09月( ISSN:0385-6313

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    1998〜2005年までに行ったNuss手術240例(男性176例,女性64例;手術時年齢2〜41歳)のうち,再手術症例について検討した.初期の100例は胸骨挙上用のバーの両端をワイヤーで肋骨に固定する方法で行い,14例で45度以上の移動を生じた.それ以降の130例は非吸収糸を用いた3点固定法に変更した.バーの固定不良で胸骨再陥凹をきたしたことによる再手術例は7例で,Nuss手術の術後2年でバー除去し,胸骨陥凹が残った症例1例,Ravitch法術後の再手術1例,胸骨翻転術後の再手術例1例,Marfan症候群で術後に胸壁変形を認め,バーを除去後,再手術2例であった.術後3日以内の再発は5例で,その5例中4例は極く初期の症例で,最近の1例は高齢で高度の胸骨陥凹例であった.また,術後6ヵ月の再手術例ではバーを上下方向へ動かすことは困難で,一度バーを除去後,最適な部位からバーを挿入する必要があった

  • 小児膵管胆道合流異常症におけるMRCPの有用性と限界 査読

    森内 隆喜, 中村 哲郎, 東 孝, 春本 研, 中岡 達雄, 吉田 達之, 中平 公士

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   41 ( 4 )   631 - 635   2005年06月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    術前MRCPと術中胆道造影を施行した膵管胆道合流異常症18例を,MRCPで共通管が確認できた13例(A群)と共通管が確認できなかった5例(B群)に分類し,MRCPの共通管描出能を後方視的に検討した.共通管の描出に関し月齢,身長,体重で有意差を認めた.各検討項目においてA群の平均値-SDとB群の平均値+SDから月齢は30ヵ月,身長は90cm,体重は12kgを指標として各群の症例数を検討すると,A群のうち9例はこれらの条件をすべて上回っており,B群のうち4例は3条件をすべて下回っていた.18例のうち月齢30ヵ月以上,身長90cm以上,体重12kg以上をすべて満たした10例中9例はMRCPで共通管が描出できた.術中造影検査で計測した共通管長は,A群,B群で有意差を認めなかった.A群のMRCPで計測した共通管長と術中造影検査で計測した共通管長との間に有意な相関を認めた.術中造影検査で判定した総胆管の形態をみると,A群では紡錘型5例,嚢腫型8例,B群では紡錘型3例,嚢腫型2例で有意差を認めなかった

  • 気管および右主気管支狭窄を来した気管気管支結核の1学童例 査読

    春本 研, 中平 公士, 中村 哲郎, 東 孝, 中岡 達雄, 多田 弘人, 嶋岡 英輝, 安宅 一晃, 竹内 敏

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   41 ( 4 )   661 - 667   2005年06月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    7歳男児.気管気管支結核の診断で抗結核療法中,喘鳴,吸気性の呼吸困難が増強し,気道狭窄の疑いで当院転院となった.気道閉塞が切迫し,気管内挿管に難渋するうちに心停止を来し,内径2.5mmの気管内チューブで気道を確保,蘇生後の胸部CT検査では気管分岐部の口側約2cmの気管分節の高度狭窄と右上葉無気肺を認めた.気管分岐部近くの気管および左主気管支内腔は保たれていた.気管分岐部より2cm口側を狭窄部下部とみなし切断,断端より内径5mmの気管内チューブを術野挿管し,安定換気が確保できた.術後2ヵ月に激しい呼吸困難で意識低下を来し,吻合部狭窄と判断し気道確保の処置中に心停止となった.膜型肺による酸素化補助の下に気管切開術を行い,切開孔から吻合狭窄部の拡張術を施行した.右主気管支狭窄には抗結核療法を6ヵ月施行した後に,残存気管支と気管分岐部を端側で吻合するsleeve lobectomyを行い,右中下葉を温存できた

  • 胎児MRIを用いた先天性横隔膜ヘルニアの肺低形成の評価 査読

    春本 研, 中平 公士, 中村 哲郎, 東 孝, 森内 隆喜, 中岡 達雄, 吉田 達之, 嶋岡 英輝, 安宅 一晃, 永田 昇

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   41 ( 2 )   159 - 164   2005年04月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    出生前診断した先天性横隔膜ヘルニア(本症)症例で,胎生27-38週時の胎児MRIにて重症合併奇形を認めなかったisolated CDH19例を対象に,肺低形成の評価に対するHypoplastic Lung index(HL index)の有用性について検討した.その結果,転帰は生存12例(63%),死亡7例(37%)で,HL indexはECMOを必要とした例および死亡例で有意に低値であった.また,HL index<0.06(5例;A)は全例がECMOを必要とし,救命率は20%であった.0.06≦HL index<0.13(7例;B)では1例でECMOを要し,救命率は57%であった.0.13≦HL index(7例;C)では病側肺描出例を3例認め,ECMOは不要で,救命率は100%であった.以上より,本症の肺低形成の評価に対し,HL indexは有用である

  • 胎児期および新生児期胆道拡張例に対する胎児超音波検査および胆道RI検査の有用性 査読

    春本 研, 中本 公士, 中村 哲郎, 東 孝, 森内 隆喜, 中岡 達雄, 吉田 達之

    (NPO)日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   41 ( 2 )   170 - 176   2005年04月( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    超音波検査により,胎児期に胆道拡張症を発見した5例(a)と新生児期に発見した3例(b)を対象に,新生児期胆道RI検査を行い,先天性胆道拡張症(CBD)およびI-cyst型胆道閉鎖症(BA I-cyst)の鑑別診断について術中胆道造影と比較した.(a)では両疾患ともcystの変化を認めず,肝内胆管との連続性を認めたのは1例のみであった.また,新生児期胆道RI検査の結果,CBDの6例中1例は拡張胆管への排泄を認めずBA I-cystとの鑑別は困難であった.以上より,胎児期超音波検査および新生児期胆道RI検査は,CBDとBA I-cystの鑑別方法として有用性は低く,術中胆道造影が必要である

  • P-151 超低出生体重児腸閉塞症に対するイオパミロン注腸療法の有用性と限界(新生児3) 査読

    中岡 達雄, 塩川 智司, 辻本 嘉助, 諸冨 嘉樹, 春本 研, 上田 正直, 林 宏昭

    特定非営利活動法人 日本小児外科学会 日本小児外科学会雑誌   41 ( 3 )   2005年( ISSN:0288-609X

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.11164/jjsps.41.3_558_1

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MISC(その他記事)

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講演・口頭発表等

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