2025/04/01 更新

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ホンダ ユウコ
本田 優子
HONDA YUKO
担当
大学院現代システム科学研究科 現代システム科学専攻 講師
現代システム科学域 教育福祉学類
職名
講師
所属
現代システム科学研究院

担当・職階

  • 大学院現代システム科学研究科 現代システム科学専攻 

    講師  2025年04月 - 継続中

  • 現代システム科学域 教育福祉学類 

    講師  2025年04月 - 継続中

取得学位

  • 修士(社会福祉学) ( 大阪府立大学 )

論文

  • 治療と仕事の両立支援のアウトリーチに関する質的研究 本人の成り行きの面談許可を頼りに,慎重に就労生活に関与しようとする継続的プロセス

    本田 優子, 坂本 和歌子, 久保田 昌詞

    日本職業・災害医学会会誌   72 ( 4 )   99 - 106   2024年07月( ISSN:1345-2592

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    【目的】近年治療と仕事の両立支援が推進される一方,病院においては両立支援のニーズキャッチが困難であることを示す報告がある.そこで本研究では,労災病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)が実施する両立支援のアウトリーチに焦点をあて,ニーズの有無の吟味および支援の提示方法の工夫を明らかにすることを目的とした.【方法】両立支援のアウトリーチを実施する5つの労災病院のMSW5名にインタビュー調査を実施し,質的分析を行った.【結果】MSWらによる両立支援のアウトリーチは,「本人の成り行きの面談許可を頼りに,慎重に就労生活に関与しようとする継続的プロセス」であった.MSWらはまず,両立支援のアウトリーチの事前準備として,《唐突に私的領域の扉をノックする者としての整え》を行い面談に臨んでいた.初回面談以降では,患者から面談自体の《許しを得てニーズの波長を合わせていく》ことで,患者と両立支援について話し合っていた.これらのプロセスにおいて土台となっていたのは,《両立支援活動を支える体制と知識》であった.【考察】両立支援のアウトリーチプロセスの分析から,両立支援ニーズに接近するための要素について考察した.(1)複数回のアプローチ,(2)"ニーズが有るか無いか"を脱構築するニーズの波長合わせ,(3)MSW自らの侵襲性・権力性に対する批判的省察,(4)院内外の支援体制の整備,(5)両立支援特有の知識が必要であることが示唆された.(著者抄録)

  • 循環器疾患患者の治療と仕事の両立支援における公認心理師の役割の一考察 両立支援カンファレンス記録の分析より

    坂本 和歌子, 本田 優子, 辻江 正徳, 久保田 昌詞

    日本職業・災害医学会会誌   72 ( 4 )   92 - 98   2024年07月( ISSN:1345-2592

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    目的:循環器疾患患者の治療と仕事の両立支援(以下,両立支援)における公認心理師(以下,心理師)の役割について考察を行う.方法:大阪ろうさい病院治療就労両立支援センターでは,2021年4月~2022年3月にかけて48回の両立支援カンファレンスを実施した.カンファレンスでは両立支援コーディネーター(以下,Co)によって提供される情報をもとに,心理師を含む多職種で協議を行っていた.本研究ではその記録内容から,心理師の発言145件を分析の対象とし,心理師の発言内容について両立支援に関する情報を念頭にコード化とカテゴリーを生成し,その特徴を考察した.結果:生成された200件のコードを集約し整理した結果,4つのカテゴリーと17のサブカテゴリーに分類された.4つのカテゴリーは,【医学的情報の整理】【職場環境の検討】【生活環境の検討】【心理面の推察】であった.考察:心理師はカンファレンスでCoから得られる情報をもとに,心理師の視点から患者の心理面の観察と分析と助言を行うことで,Coを通じた患者への間接的な心理支援を行っていたと考えられる.支援の内容としては,(1)心理的安定のための身体的問題と社会的問題のアセスメント,(2)支援の方向性のヒントを患者の心理面から探る,(3)"その人らしい"両立の在り方を模索する,(4)治療と心理面の安定のために,ストレスとの付き合い方を考える,の4点から考察された.一方で本研究の課題としては,患者本人との直接的なやり取りを対象としていない限界性や,病態や治療経過による支援内容への影響及び,他疾患の両立支援との比較などの詳細な分析の必要性があり,今後も更なる検討が求められる.(著者抄録)

講演・口頭発表等

  • 「就労支援を相談し合うゆるい集い」の活動と展望 ゆるい場の形成に焦点を当てて

    本田 優子, 田村 秀人, 國弘 行正, 椛谷 豊

    日本職業・災害医学会会誌  2024年11月  (一社)日本職業・災害医学会

  • 治療と仕事の両立支援の基本的流れおよびPTとの連携経験の紹介 招待 国内会議

    本田 優子, 坂本 和歌子, 井谷 美幸, 髙矢 央子, 浅田 史成, 久保田 昌詞

    日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集  2024年03月  日本予防理学療法学会

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    会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)  

    <p>近年,治療と仕事の両立支援(以下,両立支援)が推進されている. 2003年以降の複数調査により疾病罹患直後の離職率の高さが課題とされてきた(2003,2013山口;2017高橋).これに対し,働き方改革実行計画(2017内閣府)では,患者・病院・企業の3者が適切な情報を共有した上で復職・就労継続を目指すことが示された.その情報共有方法は,2016年に厚生労働省が作成した両立支援ガイドライン (以下,ガイドライン)に掲載されている.一方支援現場では,理学療法のなかで就労情報に触れる機会があると想像するが,この政策推進されている両立支援とのリンクに戸惑う場合もあろうかと愚考する.そこで本発表では,両立支援の基本的な流れを示し,その調整役であるMSWが心頼りにしていた PTの意見について紹介し,両立支援における連携促進に資することを目的とする. </p><p>ガイドラインによる両立支援の流れは,まず病院は,患者・企業から勤務情報の提供を受け,次にその情報をもとに就労に関する医学的な意見を返答するというものである.そのツールとして勤務情報提供書(患者・企業作成)と主治医意見書がある.ここに多職種連携の必要性が生じる.主治医意見書は就労上の配慮の詳細な記載欄があり,ガイドライン記載例からもわかるように就労動作上の注意点や通勤の工夫についての記載を要する.質高い主治医意見書作成に向けて調整するMSWとしては,日常生活レベルではなく就労現場を意識した体力づくりや安全な就労作業の工夫についてのPTの意見は,患者にとって意欲に繋がりやすく参考になると感じている.なお,2018年以降,この文書連携については療養・就労両立支援指導料の算定が可能である.PTは算定可能な職種ではないが,病院全体の取組みを要する指導料のため,主治医意見書に対する積極的な意見発信が期待される .</p><p>ところで両立支援は,この【文書連携】のほか,患者・病院・企業が直接協議する【直接連携】,そして患者が企業と自己調整することに対する【側面的支援】という3つの連携方法があり,なかでも【側面的支援】が圧倒的に多い(2019 本田ら).PT同行による【直接連携】(企業訪問)では,動作環境評価と改善案を提示してもらった.【側面的支援】では,訓練のなかで患者本人が企業に適切に情報を伝えることを意識した動作提案などを実施してもらった.いずれの連携場面においても,患者の安全な就労にあたってPTの存在は心強く,今後もぜひ連携を深めていきたいと考える.</p>

    DOI: 10.57304/jsptpsuppl.2.suppl.no.1.0_128